兆候…1 ページ3
京都姉妹校交流会の数日前。
夜蛾は開催にあたっての準備に追われていた。
夜蛾「……ふぅ」
息をつくと夜蛾のスマホが鳴る。
夜蛾「はい」
『よぉ正道、元気してるか』
電話の奥から見知らぬ声がしてきたかと思えば夜蛾はフッと口角を上げる。
夜蛾「それなりだな」
『ハッ、嘘つけ。元気な奴はそんな声してねぇだろ。やっぱ交流会の時期はしんどいか』
夜蛾「あぁ、去年も”相当”だったが……今年は更に、だな。例の件があったせいで総監部がかなりピリついている」
”例の件”という言葉に電話の相手は少し考える素振りをしたかと思えば、あぁと思い出した声を出した。
『”宿儺の器”か。残念だったぜ、呪いの姫と同じくらい一目会って見たかったんだがな』
夜蛾「……そうだな」
『で、どうよ?今年の仕上がりは』
夜蛾「乙骨は不参加だが、残りのメンバーは去年よりも成長している。それに…今年の一年生も優秀だ」
『ほぉ、そいつは楽しみだ』
夜蛾「余裕があれば”お前の生徒”も参加させたかったんだが」
そう言うと電話の相手は、うちの子達も出たがっていたとひどく残念そうな声を出し、夜蛾はフッと笑う。
夜蛾「どうだかな?東京校は粒ぞろいだぞ」
『ハッ、親バカめ!』
夜蛾「お前に言われたくは……」
『あっ!!電話の相手って東京の学長か!?おいゴラァ聞こえてんだろォ!!私らも交流会に出せ…』
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作者名:勿忘草 | 作成日時:2023年12月4日 23時