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八章 再会…7 ページ27

いつから、そうなってしまったのだろう。
どうして、そうなってしまったのだろう。

そんな答えは五条にとっても、夏油にとっても…問うまでもなく明白だった。



高専時代、あの教室で夏油は確かにこう言った。


夏油『”弱者生存”、それがあるべき社会の姿さ。弱気を助け、強気を挫く。いいかい悟、呪術は非術師を守るためにある』


五条『それ正論?俺、正論嫌いなんだよね』



かつての五条は、夏油の主張に頷くことはなかった。

力に理由や責任を乗せるのは、弱者のやること。才に恵まれ、不遜を許される実力を持つ五条には、夏油の理想論はそれこそ”笑い話”だった。

同じ教室で学んだあの日、二人の主張は確かに真逆だった。


あの日までは。




ある少女に出会いそれぞれの”愛”を知ってしまった。

だが、その出会い故に二人の中の運命の歯車は少しずつ、確実に狂い始めた。


任務、護衛、抹消、組織、暗躍、敗北、喪失、覚醒、決着、理想、虚像、現実、醜悪、犠牲、意味、意義、大義。

選択。


そう、あの決別の時も夏油と五条は言葉を交わした。


夏油は歪んでしまった”愛”を口にし、五条を傲慢だと言った。



少女を救うために非術師を皆殺しにし、少女が苦しまない術師だけの世界を作る。



その歪んでしまった”愛”に五条は無理に決まってると、そんなものは”愛”ではないと吐き捨てる。


夏油『キミは五条悟だから最強なのか?

最強だから五条悟なのか?』


五条『なにが言いてぇんだよ』


夏油『もし私がキミになれるのなら、この馬鹿げた理想も、地に足が着くと思わないか?』


それを最後に、夏油は五条に背を向けた。


夏油『生き方は決めた。後は、Aのために自分にできることを精一杯やるさ』



気づけなかった。

追えなかった。

止められなかった。



雑踏の中へ消えていく夏油を、五条は殺せなかった。





なぁ、傑。


本当は、お前だって気づいてるんじゃないのか?


アイツにとっての幸せな世界は…。





笑ってられる世界は、”俺一人だけ”じゃ無理なんだよ。







なんでっ……なんで分かってるはずなのに……一人にするんだよ。







馬鹿野郎……。







本当に馬鹿野郎だよ。

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thmrt1214(プロフ) - とてもおもしろいです!更新楽しみにしています! (1月25日 23時) (レス) id: 1820409e74 (このIDを非表示/違反報告)
カーミィ - 更新ありがとうございます!!いつも楽しみに待っていますので頑張ってください‼️でも無理はしないで☺️ (12月31日 11時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - 愛が…愛が足りないのか!?勿忘草の推しに対する愛が呪いになりそう(T_T) (12月19日 1時) (レス) id: d96a732bee (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - カーミィさん» カッコいいですよね!(*^▽^*) (12月9日 18時) (レス) id: d96a732bee (このIDを非表示/違反報告)
カーミィ - 東堂カッコいいですね!! (12月9日 17時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:勿忘草 | 作成日時:2023年10月8日 18時

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