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七章 最悪の呪詛師…6 ページ18

そう言って、夏油が手をかざす。

それからは一瞬だった。娘に取り憑いた呪霊の体が、夏油の掌へと吸い込まれていく。

形を失った呪霊は、やがて球体となり、夏油の手の中へ納まった。


「えっ、うそ…!すごい楽に……」


呪いを感知できない一般人にとっては、一連の出来事はつゆ知らず、ずっと気になっていた嫌な気配が失せたことに驚いていた。




夏油が手をかざしただけで全て解決したことにより、呪いを感知できない一般人である母娘は夏油という男が、素晴らしく神秘的で尊い存在に思えた。


「本当に、なんとお礼を申し上げていいのやら…」
夏油「いえいえ、困った時はお互い様です。またいつでも頼ってください」
「オホホホホ……ね、言ったでしょ。仏様のようなお人だった」
「……うん…」


母の言葉に、娘もかすかに頬を赤らめ頷く。

それから何度も頭を下げながら去っていく母娘の姿を、夏油は入口の柱に寄りかかりながら見送っていた。


夏油「仏様ね……」


にっこりと笑っていた夏油の目が、かすかに開かれる。その手には、先ほどの呪霊を吸収した球体が握られていた。


夏油「よく分かってるじゃないか。呪術も扱えない猿どもめ…」
「素が出てますよ。夏油様」


そんな夏油に、横から声をかけたのは菅田真奈美だった。そろそろ”祓い”が終わることかと見計らい、予定されていた会議のために夏油を呼びに来たのだった。


菅田「幹部が揃いました。会議室へ」


すると、夏油がしきりに服や体にスプレーをかけているのを見て、首を傾げる。


菅田「…何をなさっているのですか?」
夏油「除菌消臭。皆に猿の臭いが移るといけない」

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thmrt1214(プロフ) - とてもおもしろいです!更新楽しみにしています! (1月25日 23時) (レス) id: 1820409e74 (このIDを非表示/違反報告)
カーミィ - 更新ありがとうございます!!いつも楽しみに待っていますので頑張ってください‼️でも無理はしないで☺️ (12月31日 11時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - 愛が…愛が足りないのか!?勿忘草の推しに対する愛が呪いになりそう(T_T) (12月19日 1時) (レス) id: d96a732bee (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - カーミィさん» カッコいいですよね!(*^▽^*) (12月9日 18時) (レス) id: d96a732bee (このIDを非表示/違反報告)
カーミィ - 東堂カッコいいですね!! (12月9日 17時) (レス) id: 1079b99541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:勿忘草 | 作成日時:2023年10月8日 18時

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