九話 裏反る意志…6 ページ6
その頃、辻峰側ではあまりの蒸し暑さに項垂れていた。
不破「流石に暑くなってきたな…」
荒垣「すごく蒸す…」
樋口「ならマスク取れば〜…？」
二階堂「はぁ……」
普段あまり汗をかくイメージがない二階堂でさえこの暑さに参っていた。
A「あの、二階堂先輩」
そこへ、Aが飲み物を持ってやって来る。
A「コレ、ウチのコーチ達からです。よかったら、みなさんでどうぞ」
不破「お？悪ぃな。ゴチになります！」
雪平「ありがとうございます」
大田黒「あざっす！！」
樋口「どうも」
荒垣「あざまーっす」
全員が礼を言い、二階堂も遅れて立ち上がり袋から飲み物を持ち取り出す。
二階堂「いただきます…。ご丁寧にすまないな？Aちゃん」
A「いえ！先輩達の射はとても勉強になりますし…あ、そうだ。よろしければ、みなさんが六人立ちするところを見学させてもらえませんか？」
Aの突然の申し出に二階堂は驚く。
A「私達、どうしても息合いが上手くいかなくて…辻峰の六人立ち、もう一度生で見てみたいんです」
お願いしますと頭を下げるAに対し二階堂はノリ気になれず苦笑いをし、断ろうとした…だが。
荒垣「別にいいんじゃないか？」
大田黒「この麦茶の恩もあるしな！」
樋口「面倒だけど〜まぁ」
不破「構わないだろ？どうせウチも団体戦の練習するつもりだったし」
雪平「どうするの？二階堂くん」
二階堂「……分かった」
A「！……ありがとうございます！」
二階堂「っ…」
純粋な瞳と笑顔を向けられ今の二階堂にとっては複雑な心境となり眉間を寄せる。そんな二階堂の気持ちを察して不破がポンっと肩を叩き、ジト目で見つめていた。
続く (更新停止中)
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作者名：勿忘草
| 作成日時：2023年7月25日 14時
