【黒鉄の魚影】姫金魚草2

九章　正体…15 ページ40

メインルームでは、黒田が声を張り上げていた。

黒田「繰り返す！民間人は至急退避！魚雷に狙われている可能性がある！」

職員達が次々と出入り口へ向かう中、自分のデスクについた牧野は、悔しそうにデスクを叩いた。

牧野「ここにいる人間をシステムごと葬るつもりか……！！」

黒田は目暮に陣頭指揮を命じ、目暮は階段を下りて床で寝転がっている小五郎に駆け寄った。博士と二人で小五郎の体を起こし、腕を肩に回して担ぐ。


蘭「お父さん、起きてよ！」
小五郎「にゃあ〜、ハッハッ……」
蘭「お父さん！！」

蘭の声で意識を取り戻した小五郎だったが、急に笑い出したかと思うと、すぐにカクンと項垂れた。






牧野「相手はたかが潜水艦一隻。装備の数が違う。「デコイ」の準備だ！！」
「はい！」





・
・
・
・



コナン『デコイ？』

安室の右耳についたイヤホンマイクから、コナンの呟く声が聞こえてきた。

安室「魚雷を誘導する囮だ。それより早くそこから…」

コナン『あ、ちょっと待って！』


安室の言葉を遮ったかと思いきやスケボーを止める音の後にピッというスマホの操作音が聞こえてくる。

コナン『赤井さん！』

コナンの呼ぶ声がして、安室は大きく目を見張った。


安室(赤井だと！？)

九章　正体…16→←九章　正体…14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す