【黒鉄の魚影】姫金魚草2

九章　正体…1 ページ26

コナン達がパシフィック・ブイに着いた頃には陽が落ちていて、明かりが灯った船着場には、小五郎、黒田や佐藤が待っていた。


小五郎「それにしても、まさかこのボウズの言う通り、本当に潜水艦がいたなんて…」
黒田「海上自衛隊の出動を要請した」

佐藤「さぁ、医務室に向かいましょう」


佐藤は毛布にくるまった（人1）と直美、コナンを医務室へ連れて行った。


佐藤「寒かったでしょう。着替えと温まるものを用意するわね」
直美「あ、手伝います」


佐藤と直美が揃って医務室を出て行く。ドアが閉まったのを確認したコナンは隣に座る（人1）に話しかける。


コナン「攫われた時の状況は覚えてるか？」
（人1）「うん…抵抗したらエーテルで眠らされた」

（人1）はそう言うと、かけていたメガネを外して太ももの上に置く。そして両手で目をゴシゴシと擦る。


コナン「エーテル？」
（人1）「それをベースにピンガが作った麻酔薬だと思う」
コナン「……シンナーみたいなニオイはするか？」
（人1）「あー……まぁ、似てたかな」

レオンハルトの口元からシンナーのようなニオイがしたことを思い出し、（人1）に問いかける。似たようなニオイだと聞いて、口元からのニオイはエーテルだと、コナンは確信した。

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