輪廻眼の姫君 【呪術廻戦】

自分のために…9 ー五条sideー ページ20

僕が振り返ると悠仁の中の宿儺が急に語り出した。

宿儺「力以外の序列はつまらんな」

バチっと頬を叩き宿儺の口を塞ぎ、勝手に出てくるのだと悠仁は僕に謝る。

五条「愉快な体になったねぇ」
宿儺「貴様には借りがあるからな」
虎杖「あっ！また！！」

今度は叩いた手の甲に口が出てくる……本当、愉快な体になったものだ。

宿儺「小僧の体モノにしたら真っ先にお前を殺し、伊奘冉の現し身を俺のものにしてやる」
五条「……宿儺に狙われるなんて光栄だね」


そう。本当に…腹立たしいくらいに光栄だよ。僕からAを奪おうとするなんてね…。


虎杖「コイツと伊奘冉って有名なの？」
五条「両面宿儺は、腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神。伊奘冉は輪廻眼という恐ろしい呪眼を持った厄災の女神……。

だが、その2人は実在した人間だよ。千年以上前の話だけどね。


呪術全盛の時代、術師が総力をあげて2人に挑み敗れた……宿儺、伊奘冉の名を冠し死後呪物・呪眼として時代を渡る死蝋と転生さえ僕らは消し去ることができなかった。




紛うことなき呪いの王と厄災の姫君だ」



悠仁にはそう言ったけど…本当の伊奘冉は、美しい輪廻眼を持った絶世の美女。それなりにイカれていたかもしれない……けど、その容姿は厄災とはかけ離れたお姫様。

でも、彼女が宿儺に魅入られてしまったが故についてしまった汚名。


……それが、Aの前世。



虎杖「先生と宿儺、どっちが強い？」
五条「うーん、そうだね。力の全てを取り戻した宿儺なら…ちょっとしんどいかな」
虎杖「負けちゃう？」
五条「勝つさ」


呪術師としても1人の男としても……ね。

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