～ツルネ～出来損ないのシンデレラ4【滝川雅貴，藤原愁】 (ページ30)

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空筈の痛み…8 ページ30

雅貴「そんな爺さんのやり方に反発して俺は家を出た。そしてあちこちで教えをくい結果、早気は治ったがその時には…爺さんはもう。何かが抜け落ちたみたいな、ポッキリと折れてしまったみたいなそんな感覚に陥ったよ。

でも…その頃から俺の射は冴え渡った。空っぽな気持ちとは裏腹に引けば必ず中った…そんな俺の射を皆は賞賛し、壊れるままに日本中に弓を引きに行き、大会に出て…俺は、弓を引く意味を見失った。

そして俺は弓引きを辞める為に1万射を引き始めた。心根…とでも言うべきモノだったのかもな？爺さんと爺さんに育てられた弓引きである俺自身。

…だが、そんな俺の前にお前達が現れた。早気やそれ以上の病に苦しむ懸命な姿に俺の中に何かが灯った。だから俺は1万射の最後の1射をA…お前に委ねて、新しくスタートしようと思ったんだ。俺は爺さんとは違う。あいつみたいな師匠にはなら無い…それを証明してやるってな。爺さんへの復讐の為に」

復讐と聞きAは目を開くとフッと笑う雅貴

雅貴「でもそれは間違ってた。いや、間違っていたと言うかまだ自分でもよく分からないんだよな…1つ確かな事は俺は爺さんに執着してる。多分、俺がこの先コーチを続けていく為にも俺自身が弓引きであり続ける為にも俺は爺さんの事を知らなきゃいけない…そう思ったのさ」

湊「…大埇先生だっけ…お爺さんの親友に会いに行くの？」
雅貴「如何…かな？連絡してみようとは思ってるが正直俺自身本当の所は如何したいのか、如何すべきなのか…良く分からないんだよ」

A「っ…」

雅貴の辛そうな笑顔に胸がズキっと痛くなるA