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「バイト頑張ってね」
「ありがとうございます」
「……暇なとき、連絡していい？」
「……はい、待ってます」
やった、なんて小さく呟いた先輩にどこか嬉しくて心做しか私も笑顔になってしまった。
時計をちらっと見るとバイトの時間が迫ってきていて「じゃあ」なんて私が切り出す前に、さっきまで繋がれていたその手が私の頬に優しく添えられていて。
「せん、ぱい……」
「……ごめん、じゃあ、またね。頑張って」
そう、足早に去っていってしまった先輩の後ろ姿を見て胸が苦しくなった。
あのままどうするつもりだったんだろう、もしあのまま私が先輩の手に自分の手を重ねてたら、引き止めてたら、どうなっていたんだろうか。
変な考えを消すために急いでバイト先のお店へ足を踏み入れたのだった。
「Aちゃんおはよー」
「ヒョンジンくんおはよう、今日早いね」
「おれいつも通りだよ〜Aちゃんがちょっと遅かったね」
「……そっか、確かに」
巻いていた髪を簡単にくくって、更衣室で着替えてから共有スペースに出れば先にいたヒョンジンくんとばったり。
ヒョンジンくんは違う大学でちょうど同じくらいにバイトを始めたほぼ同期のような存在で年齢も同じだし、帰る方面も同じでなんだかんだ気が合う人だった。
「Aちゃんなんか今日かわいい！」
「やだなぁ、やめてよ恥ずかしい」
「ははーん、デートだったんだ？バイト前に？」
「ジャンケンしよ、せーの、ジャンケンポンっ」
「え、ちょっと」
「ヒョンジンくんの負け！帰りジュース奢ってね〜」
そう言ってホールに出れば「なんでよ〜」なんて言ってるヒョンジンくんに心の中で「からかうからだよ〜」なんて言い返しておいた。
私がバイトしてるのは小さなカフェで、今日は私とヒョンジンくんと店長の三人。三時から八時までの五時間の短時間でも時給がいいし、シフトの融通もきくしでかなりいいバイト先で。
「急なのはずるいじゃん、もう一回しよ」
「勤務中なのでダメでーす。ほらお客さん呼んでるから」
私がそってお客さんの方へ向かったあと、ちらっと横目で見れば口をとがらせて不満そうな顔をしているヒョンジンくんが見えてちょっと得意げな気分。
戻った時軽く小突かれたけど、全然痛くなくてちょっと笑ってしまった。
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にな - おもしろすぎますっ！！！まだIIを読んでないので、めちゃくちゃ楽しみです笑 (9月18日 9時) (
レス) id: b40d645773 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 二酸化酸素さん» 正しいのは「酒は飲んでも呑まれるな」で合ってますが、それをもじってこのタイトルにしました。あとがきで説明しようと思っていたので記載していませんでした。わざわざコメントさせてしまってすみません🙏 (2023年4月9日 12時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - 酒は飲んでも呑まれるなじゃないんですか？酔われるなって日本語変じゃない？ (2023年4月8日 23時) (レス) id: f1b4473fe3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます！頑張ります🫶🏻 (2023年3月2日 23時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - すごく面白かったです💞続き楽しみにしてます！！ (2023年3月1日 16時) (レス) id: 1458c0c6cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2022年11月25日 17時
