酒に酔っても酔われるな

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「……なんか気合い入ってるね」

「えっ……」

「なに、結局付き合ったの？」

「や、違うってば！いつも通りだよ、いつも通り！」



今日はミノ先輩とランチをする日。

でも一限だけ講義をとっていたこともあり午前中は学校へ。そんな授業終わり、待ち合わせの時間まで少しあるからキャンパス内のカフェで一人カフェラテを飲んでいた時。

たまたま同じく一人で入ってきたスンミンと目が合って、そのまま飲み物を頼んで私の席までやってきたのだった。



「だってAと知り合ってから髪巻いてるところ見たことない」

「そんなことはないと思うけど……」

「…………」

「な、なに……」

「カラコンもしてる？」

「うるさいなぁ……」



突然黙って私のことをじっと見つめてきたと思ったらそんなことを言い出すスンミンに呆れそうになる。例えるなら家族が私のメイクを見てちょっと冷やかすような、そんな感じがしてむず痒い。

でも確かになにか特別なことがないと髪を巻くことなんてなかった気がする。友達と遊ぶとかそれこそ彼氏とデートとか……楽だから、なんて理由でストレートに普通のメイクが定番だった。



「たまたま今日みたいな時にスンミニと会ったことないだけだよ」

「えー、そう？まぁ、かわいいんじゃない？」

「そんな褒めても今日はコーヒー奢らないからね」

「別に見返り求めてないから」



そう言ってくすくすと笑い出したスンミニにチャラいやつだな、なんて思いながら時計を見ればかなり時間が過ぎていて。



「あ、やば……私行くね、今度ゆっくりご飯でも食べよう」

「惚気話なら聞かないからね」

「だから違うって言ってるでしょ！」

「はいはい、遅れるよ」



残っていたカフェラテを飲んでお店を出てたあとまだ席に座っていたスンミンに手を振って少し早歩きでその場を去ったのだった。


前回のことを活かして今日は待ち合わせよりも10分前に到着したのに、もう既に着いている先輩に驚いてしまった。

スマホを見ているみたいで、私が後ろから行っても気づかなさそうだったのでちょっと驚かしてみようと私が後ろから先輩の服の裾をくいっと引っ張ったのだった。



「おはようございます」

「う、わ……びっくりした……」

「スマホに気を取られてましたね、私の勝ち。……先輩？」



何か言われるかと思って、様子を伺っていたものの顔を背けるようにする先輩がいたのだった。

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