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「も、のめない、かも……」
「無理しなくていいよ、お水飲みな」
「もうちょっと、一緒に飲みたかった……」
「今度はもうちょっと早い時間から飲もうね」
これ以上飲んだら明日が辛いかも、なんてところでそういえばすぐにペットボトルの水を持ってきてくれてそっちに切り替えた。
もう時間も時間だし、なんて私の手を引いて寝室に向かう先輩に後ろ姿かっこいい、なんてお酒のせいでしっかりしてない頭でそんなことを思わず口に出してしまいそうになって、慌てて口を噤んだ。
先にベッドに乗っかって布団を剥いでから「おいで」なんて言った先輩の元へ吸い込まれるみたいにくっついて。
「……すき」
「あー……ほんとに……おれも、すきだよ」
「もうちょっとで誕生日、終わっちゃいますね」
「そうだねえ」
後ろの背もたれに寄りかかっている先輩にぎゅっと抱きついていれば背中をゆっくりと撫でられていて、それがすごく心地よくて。
好きだなあ、と思う。からかうのが好きで、よくちょっとしたいじわるもされるし、遠回しに気持ちを伝えてくることもあるけどなんだかんだ好きだなと思う。
ちょっと前までは会うだけでどきどきして、デートする時もちょっと緊張してたのにお酒のおかげなのか今は近くにいる方が心地よくて、離れたくなくて。
「Aちゃん、酔うとくっつき虫になるんだね」
「いや、ですか……？」
「かわいい〜」
「わ、くるしい……う〜……」
私が抱きつく力よりも、もっと強くぎゅうっと抱き着かれて苦しいと思うけどそれが幸せで仕方ないと思ってしまうのは重症なのだろうか。
ふと近くにある髪の毛から同じシャンプーの匂いがして、服からも同じ柔軟剤と、先輩の匂いがして、いやでも意識してしまってとくとくとなる心臓の音がどうか聞こえませんように、と祈るばかりだった。
それなのに首元にあったはずの顔が耳元に上がってきてふ、と息を吹きかけられて「あ」だとか「う」だとかそんな声しか出せなくて。
「かわいい、ほんとうにかわいくて、おかしくなりそう」
「……きす、して」
柔らかい唇が啄むみたいに短くキスされて、シーツを掴んでいた手は手繰り寄せられて指を絡められてぎゅっと握られる。
そのまま沈むみたいに暗い夜に深く深く、落ちていったのだった。
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にな - おもしろすぎますっ！！！まだIIを読んでないので、めちゃくちゃ楽しみです笑 (9月18日 9時) (
レス) id: b40d645773 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 二酸化酸素さん» 正しいのは「酒は飲んでも呑まれるな」で合ってますが、それをもじってこのタイトルにしました。あとがきで説明しようと思っていたので記載していませんでした。わざわざコメントさせてしまってすみません🙏 (2023年4月9日 12時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - 酒は飲んでも呑まれるなじゃないんですか？酔われるなって日本語変じゃない？ (2023年4月8日 23時) (レス) id: f1b4473fe3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます！頑張ります🫶🏻 (2023年3月2日 23時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - すごく面白かったです💞続き楽しみにしてます！！ (2023年3月1日 16時) (レス) id: 1458c0c6cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2022年11月25日 17時
