酒に酔っても酔われるな

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「なんでだと思う？私、何かしたかなぁ……」

「返事ほんとに来てないの？」

「来てないの！来ないの！」



ジョンインとご飯を食べてから数日、待っても待っても来ない先輩からの連絡にもうどうにでもなれ、と私から「お久しぶりです」の後に「元気ですか？」なんて送ったのに既読がつくだけで何も返ってこなかった。

既読はつくのに返事は一向に返ってこない。気づかないうちに既読をつけたとか、バグでついてしまったかもしれないと思って「空いてる日ありますか」なんて聞いたのにこれも既読がつくだけ。

どうしてなのか、どうすればいいか、いつものカフェでスンミニに相談に乗ってもらっていたのだった。



「最後に会った日に怒らせるようなこと……」

「してないってば！……してない、と思う」

「なんでちょっと自信なくすのさ」

「だって、その人にとって嫌なことって違うじゃん……」

「まぁ確かに。じゃあ単に忙しいとかは？」

「忙しいなら既読つける……？」



そんな私に黙ってしまうスンミニに「そうでしょ」なんて言えば同情されるように「今度コーヒー奢るよ」と言われてしまって悔しいけど何も言えない状況に虚しくなった。

その後「もうちょっと話聞いてあげたいんだけど……」なんて言った後講義あるからごめん、なんて言って一人になってしまった。

残り少しだったカフェラテを飲み終えて私もカフェを後にする。キャンパス内を、先輩がいたらいいのに、なんて思いつつ歩いていたら。



「先輩……ミノ、先輩だ……」



少し遠くに一人で歩いている先輩を見かけて直ぐにそっちへと歩き出した。

一人だからなのかすごく歩くのが早く感じて、一緒に歩いていた時はゆっくりだったのに、とかそう思っただけでも早く話しかけたくて、会いたくて。

先輩の元へたどり着いた時に私はほとんど息切れ状態だった。



「せん、ぱいっ……やっと、おいついた……」

「え、Aちゃん……？」



先輩を追いかけるのに必死でイヤホンしてるのに気づかなかった。何回か先輩、なんて声をかけたのに気づかないのもそれはそうか、と何だか納得してしまった。

突然服を引っ張って呼び止めた私に大きな目をもっと見開いて驚く先輩に、すみません、なんてすぐに手を離してしまった。



「あの、ちょっとだけお話、いいですか」

「……うん、いいよ」

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