姉上は弟をまっとうに育てたい！【鬼滅の刃】【煉獄杏寿郎】※転生ネタ

10　事件です！！！ ページ10

そんなこんなで 数日がたち、ある日とうとう事件が起こってしまった

帰ると杏寿郎が玄関にいなかった

嫌な予感がした私はすぐさま玄関におかれた布団をそのままに
家の中の母上たちの元へと走る


　「杏寿郎っ？？！」


中にいるかもしれない

中に運んだのかもしれない

だけど それは簡単に打ち崩れる


「何！？ いつもの通り布団の中で寝ていると・・・」


槇寿郎さんの言葉に私は血の気が引く
再び玄関へと走り、外へ出る


　「杏寿郎っ！」


必死に叫んだ


　どこへ行った！？

　まさか 誘拐！！？


ワンワンと近くで犬が吠える声が聞こえた

角を曲がり、野原に出た


　 杏寿郎が、、、 いた！！



ぐっと野原の中で仁王立ちし、わんわんと吠える野良犬をぎっと彼なりに睨みつけていた


だが、相手は野良犬

そして彼は杏寿郎とは言え、まだ二歳



　 「っ！！！」



野良犬が杏寿郎にとびかかった

彼は仁王立ちしたまま まだぎっと犬を睨みつけていた


　 「杏寿郎！！」


彼の体に犬の爪が届くかという距離でなんとか間に合った！
杏寿郎をかばうようにその身を包む


　「っっ！！」


犬の爪が背中を襲う

私は犬を親の仇かの如く 睨みつけた



　 私の大事な・・・ ”杏寿郎”に何をするっ！！！



思わず漏れ出た私の殺気に犬が瞬時にとびのいた

私から放れた犬は逃げるようにそのまま去っていった

私はすぐに杏寿郎に目線を向けると彼の安否を確認する


　傷は！？

　かまれてない！！？

　どこかケガは！！！？


幸いなことに彼には怪我一つなかった
ただ私の怪我を見て顔を青くして震えていた

「っミャ！！」という聞きなれぬ鳴き声が聞こえた

声のしたほうを見ると杏寿郎の後ろには・・・


　 子猫？


「！」


状況を理解する

犬がとびかかってきてもこの小さな杏寿郎はよけなかった




　 ・・・・・・・




私は彼を・・・ ”杏寿郎”をぎゅっと強く抱きしめる

　”ああ・・・ 本当にあなたという人は” と ケガのないあなたに
心底ほっとし、そのまま不覚にも泣いてしまった



　 ケガがなくて 本当によかった



「ねぇ、う・・・ 血」


「うん、大丈夫だよ 杏寿郎」


泣き崩れる私に、顔を青くしていた杏寿郎も泣きだした

何度も「怪我がなくて良かった」と彼の髪を優しくなでた



　『杏寿郎！ A！！』

槇寿郎さんがその場にかけつけた

私の背中から血が流れているのに気が付くと彼の顔も真っ青になる

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