まだまだ鍛錬不足です 番外or短編【鬼滅の刃】【煉獄杏寿郎】

隊士は見ていた（モブ視点） ページ1

ある隊士は見ていた


今日も今日とて 炎柱様はある隊士にご執心である


　「A！！」


そう言って彼は嬉しそうに彼女に近づく

彼女もその声に仕方がないと言った感じで振り返る

彼女に笑顔はない
社交辞令でも笑ってはいない

どちらかというと「また来た」というような雰囲気だ

だが彼が上司だからか同期だからか 彼の言葉を邪険にもしない




”A”

　俺の知る限りでは炎柱様とは同期であり、階級は最近”乙”になった18歳の女性





　「なんで あんな子に炎柱様は 話しかけるのかしら？」

　「同期らしいよ？」

　「だからって勘違いしてるんじゃないの あの女？」


その二人を見てこそこそと木陰で話すのは本部ではあまり見ない地方の隊士

見た目は美人。見た目は可愛い

今まで「一目惚れ」という告白を 何度もされていそうなその風貌の三人に

　”ああ、 またおこってるな” と 俺は思った






　 ”勘違い”







Aは一見 美人ではない(だが シコメ(ブス)ではない)

スタイルが特別いいわけでもない(だが普通)


平凡と言えば平凡


男装させればそれなりにも見えなそうな そんな女性






ゆえにAを知らない女性達は勘違いをする






　 ”あの子でいけるのならば 私達でも”と・・・






化粧をし、香水をつけ、わざと炎柱の前を通りかかる


それこそわざとよろめき彼に寄りかかる








　”あの女でいけるのならば 私ならもっと簡単に”









　 ”炎柱様の お気に入りに！！”









そう思い、考え、安易に”あの”柱に近づく

笑顔を向ける

わざと胸など押し付ける









”恐ろしい” ”恐ろしい”









　 ”知らないこととは 恐ろしい”









　彼女らはAを押しのけ


　”炎柱様のお気に入り”になれるはずだと


　勘違いをする ーーー









　 それは大きな間違いだと すぐに恐怖と共に知ることとなる









まずA自身、炎柱の”お気に入り”だとは気づいてはいない
　(どちらかというとそれを言えば 迷惑そうな顔をする)



Aは色気があるわけではない

頭の中は基本鍛錬のことばかり

ただ料理はうまいらしい

時々ふわりと笑う笑顔は周りの隊士達を和ませる


任務に出れば誰よりも最前戦へ






「！」


炎柱様が俺の視線に気づいた

俺がAを見ていたのに気づかれて、慌てて目を背ける





　ああ・・・ 怖い怖い



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