輪 (ページ2)

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あおいさんの場合ページ2

あおいは今夜の食事会の相手についてとても緊張していた。朝海ひかるが同席するというのだ。
「これは、確定ということでいいの？」
思わず夫に相談してしまった。
「相手が47歳、坂本君が48歳、真剣なお付き合いだと思う」
「そうなんだ」
1回目の結婚は失敗してしまった。この2回目の結婚は、とてつもない優しさに満ち溢れて、孤独を感じるという瞬間がない。
「もう、朝香さんには会ったみたいなんだよね」

朝香にはあおいもとても良くしてもらっている。細かい気遣いに心がいっぱいになって涙があふれてしまったことがある。
1回目の結婚では本当に大好きな人と結ばれたはずなのに1人だった。
今は、何かと皆が気遣ってくれて相談にも乗ってくれる。
「朝香さんて優しい。すごい嬉しい」
ある日泣きながら夫にそう伝えた。夫は言った。
「朝香さんは、坂本君がしてくれたことを白石さんやあおいにもしてるんだよ。それでもまだ足りないって思っていると思う」

瀬戸朝香に宮沢りえ、白石美帆の面々に宝塚元トップスターの朝海ひかるが加わるのだ。自分なんて末席もいいところだ。自分ができることなんて何もないと思う。それでも、温かい空気を形作る1人にはなれるのではないかと思うのだ。

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