１５６話 尾形Side ページ15
港に着き、次に来る船を待つ。キロランケに波止場の先まで呼ばれる。
「杉元はともかく、Aは確実に……」
「俺が外すとでも思ってるのか」
言葉を途中で遮り、軽く睨む。キロランケは甘んじて口を閉じ、波止場からアシリパたちの方へ戻る。
(まあ、嘘は言ってねぇ……)
キロランケの後ろ姿から目を離し、海に顔を向ける。
網走での混戦中、キロランケに言われた通りAを撃った。しかし、急所を外して撃った。
(あいつが俺を恨み(かんがえ)ながら死ぬのも悪くない。が……)
重傷を負わせ、倒れたAが立ち上がった際、こちらを見た。
「ッ……」
いつもの透き通る程綺麗な緑の瞳が、静けさを帯びた深い青に変わる。
(いや、変わった訳じゃ無い……)
元のAの瞳の色が、より一層際立った。全身をゾクゾクした感覚が走る。
「ハハッ」
あいつをもっと見ていたい。そんな思いが脳内を占める。Aの一挙一動が、自分を楽しませることに興奮する。
途中で谷垣(マタギ野郎)の邪魔が入り、Aは建物の影に隠れた。
(クソッ、思い出しただけで胸くそ悪い……)
谷垣が来なければ、もう少しAの意識は自分に向いていた。
「……尾形」
視線を下げると、沈んだ顔付きをしたアシリパが立っていた。
「何だ」
「Aは、本当に息をしてなかったか……？」
船着き場に着いてから、アシリパは三つ編みされた髪紐を大切に握りしめている。
「何度も言わせるな」
淡白に答えると、アシリパは強く唇を噛む。後ろにいたキロランケを見ると、「来い」と手招きしている。
「……行こう、アシリパ」
一度頷いたのを確認すると、二人はキロランケたちのいる所へ向かった。
(確実にあいつは樺太へ行く。その為に、生かしたからな……)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ゴールデンカムイ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
