二十話 ページ21
鈴木大河が彼女さんを抑えてくれている間に、私はすかさず警察に通報した。あとは到着を待つだけ。
どうやら九死に一生を得たようだ。
はぁと一息着いていると、なにやら二人の会話がヒートアップしている。
鈴木「何度も言うけど、俺は初めから恋愛感情はなかった。だからこんなことしても、俺の考えは変わらないよ」
『そんなのいや！私には大河くんしかいないのに！！』
鈴木「うん。でもごめんね。これも説明したけど、俺には好きな人がいるから。」
そう言うと鈴木大河は、私の手を握った。
…え、なんの意味で？？
驚きで硬直している私を置いて、彼女さんに死刑宣告を放つ。
鈴木「俺、本当にこの人が好きだから」
「…はぁあああああああ!?!?」
私の切実なる悲鳴は、パトカーのサイレンの音に掻き消された。
こんなにも嬉しくない告白初めてだ。
＿＿＿＿＿
＿＿＿
＿
出勤してそうそう、大きな笑い声に迎えられた。
これでもかと言うほど大爆笑している、影山くんと横原くん。基くんもちょっと笑っている。
やっぱり私の味方は松井くんだけだよ。
「何がそんな面白いんだ。言ってみろ」
横原「昨日は大変だったなお前！メンヘラ彼女に刺されかけたうえ、まさかターゲットに告白されるなんて！あはは！」
影山「俺は感動した！Aにもハニートラップの才能があったなんて！」
ねぇよそんな才能。
うんざりした顔で、半ば倒れるようにソファーに沈む。
さすがに同情したのか、基くんが缶コーヒーをそっと差し出してきた。
基「なにはともあれ、無事で良かったよ」
「もう事情聴取はうんざりです。長すぎだろ…」
思い出すだけで、なぜだか頭が痛くなった気がする。
冷たい缶コーヒーを頬に当て、唸り声をあげた。
すると松井くんが近づいて来て、大きな身体を縮こませ私を覗いた。
松井「Aちゃん！！ごめんねぇ！助けてあげられなくてぇ！！怪我してない!?」
「大丈夫ですよ。泣かないでください。でもこれが正しい反応だと思わないか、そこの爆笑中の二人」
そう言って目をやるも、彼らは変わらず笑い続けていた。
変に気を使われるより有難いけれど、やっぱりムカつくな。
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だるみちゃん(プロフ) - お返事ありがとうございます！更新されてて嬉しかったです！終わってしまったのが寂しいですがとても楽しく読ませて頂きました！ありがとうございました！ (1月23日 2時) (
レス) @page24 id: 6f86d707db (このIDを非表示/違反報告)
カケル(プロフ) - だるみちゃんさん» コメントありがとうございます！もうしばらくお話が続きますので、お待ちくださると嬉しいです！ (1月11日 21時) (レス) id: 2b08734d0c (このIDを非表示/違反報告)
だるみちゃん(プロフ) - 去年、このお話に出会い続きを楽しみにしています！ (1月2日 23時) (レス) @page18 id: 6f86d707db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カケル | 作成日時：2023年11月22日 11時
