十四話 ページ15
「もう行くよ泰我くん！鈴木さん困ってるだろ！」
椿「ねぇA､歩道橋の階段から落ちたってどういうこと!?俺聞いてないんだけど！怪我大丈夫なの!?」
「出会いを聞くな！とっくに治っとるわ！」
思いのほか泰我くんが、鈴木大河と打ち解けてしまった。
話の流れで心配性が発動し、かなり前の話なのに慌てている。
そもそも怪我していないので、安心して欲しい。とは鈴木大河がいる前で言えない。
鈴木「俺のせいです。本当にすみません」
「いや、完全に私の不注意ですので」
だってわざとだもん。
長々と話し続ける二人をどうしようかと悩んでいると、泰我くんのスマホから着信音が響いた。
誰か知らんが、電話かけた人ナイス！！
一言断って泰我くんが通話を始める。その内容はほんの数十秒だった。
椿「ごめん、なんか店でトラブルがあったっぽい。ちょっと顔出してくるよ。Aは絶対タクシーで帰ってね」
「なんでだよ。駅すぐそこだし歩いてく」
椿「こんな夜遅くに一人は危ないでしょ！」
「私のこといくつだと思ってんだ。まだ十九時だから」
あーだこーだの押し問答。
すると鈴木大河が、私たちの間に割って入った。
鈴木「なら俺が送ります。俺も駅行きますし」
椿「うーん…それなら大丈夫かな。すみません、Aをお願いします」
私の了承も聞かず、泰我くんは去っていった。
ようやく肩の荷が降りる。余計なことを言いそうでヒヤヒヤしたが、なんとか事なきを得た。
「従兄弟がすみません。一人で大丈夫ですので、私はこれで」
休日までこいつと関わりたくはない。
急いで振り返って早歩きをすると、グンっと後ろに引っ張られる。
鈴木「俺が嫌なんです。椿さんを一人にするのは。だから送らせてください」
いとも簡単に掴まれた手。
力強くて振り払えそうにない。何度断ったって、聞き入れてはもらえなさそうだ。
「……お願いします」
そう答えるしかなかった。
私の返事に鈴木大河は微笑を浮かべると、デートの時のように私の歩幅に合わせて歩き出した。
え、手繋いだままなの？？
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だるみちゃん(プロフ) - お返事ありがとうございます！更新されてて嬉しかったです！終わってしまったのが寂しいですがとても楽しく読ませて頂きました！ありがとうございました！ (1月23日 2時) (
レス) @page24 id: 6f86d707db (このIDを非表示/違反報告)
カケル(プロフ) - だるみちゃんさん» コメントありがとうございます！もうしばらくお話が続きますので、お待ちくださると嬉しいです！ (1月11日 21時) (レス) id: 2b08734d0c (このIDを非表示/違反報告)
だるみちゃん(プロフ) - 去年、このお話に出会い続きを楽しみにしています！ (1月2日 23時) (レス) @page18 id: 6f86d707db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カケル | 作成日時：2023年11月22日 11時
