本職バスケの特殊系男子が全日本代表にお呼ばれした話

秘密４ ページ30

『あっ.....。』





やってしまった。





ボールめがけて飛んだのに、俺の前にボールはない。





かわりにボールは俺の右足のつまさきに当たって落ちた。





ヤバイ。飛び過ぎた。





眼下に見えるネット。清水さんの見開かれた目。





ネットをよけて俺が着地すると、静まり返った練習場にてんてんてん.....とボールが転がる音が虚しく響いた。





ごめん、西津先生。俺初日からやっちゃったよ。





「花菱!ちょっと来い！」





その時、南部監督の声が響きわたった。





とにかくこの場から離れたかった。





皆の目を見るのが怖くて、俯いたまま南部監督の傍まで駆け寄る。





「ちょっと外出るぞ。」





そう言って南部監督は俺の肩を抱いてゆっくりと出口に向かって歩いてくれた。

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