音の世界と君だけの世界ーYUCHUNー 6 (ページ2)

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それから、俺もカメラに興味を持って。
護さんと【撮り】に行ったんだ。
俺に大事な事を教えてくれた。
下ばかり向いてちゃ分からない。前を見れば分かる事もあるって事。

高校辞めて、バイトしながらカメラの仕事についた。
護さんの伝で笹原さん紹介してもらって。

いつか、護さんみたいなフォトグラファーになるっていつも言ってた。

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でもさ、急に居なくなって。信じられなくて。

葬式でお前見てさ、
大声で護さんに向かって【なんで死んだの】【置いてかないで】【なんで、なんで】

俺が叫びたかった言葉を大声で泣いて叫んでたのが悔しかった。

側に居て、なんで護さんだけが死んだんだって。お前が、

お前がいなくなればって思った。

ごめん。
お前の状況とか知りもしないのにそんな事思ったり、お前引っぱたいて責めたりしてごめん。

でも、俺。
ずっと居場所無くて。
家でも学校でも無くて。

護さんや此処や、笹原さんの事務所に居場所出来て。
護さんの隣で、カメラ握りしめてるお前が羨ましくて。悔しくてムカついて。
ホント大っ嫌いだった。

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A「……」

太朗「つい最近まで俺良がりな想いだよ。ほんと、ガキで、成長してない…」

A「私も独りよがり。ユチョンと出会うまでの私は、難聴を良い事に友達作りもしないで、どうせ。どうせって。

でも、出逢いが成長させてくれた。太朗さんは父さんやカメラに出逢って変われた。

私とまた出逢ってそう、想えるようになった。

出逢いって大事。びっくりするほど自分の考えを覆すぐらいの発見に出会うもの」

ユチョンに会わなかったら、恋を諦めてた。
自分を大事にしなかった。

相手を想う気持ち。
相手に甘える事。

言いたい事をちゃんと伝える事。

前をみて、ちゃんと目をみて話すこと。

そうすれば、ちゃんと相手に伝わること。

耳が聞こえなくても。ちゃんと。

伝わる事。