仲良しJUMP 16

りょーすけ ページ9

涼介side


涼「伊野尾ちゃんごめん…」

慧「なにが？」

涼「ごめんね…服洗って返すよ」

慧「いいよいいよ。レッスン着だし。気にしなくていいの。で、山田ちょっとそこのソファー腰掛けて」



トイレで手を洗って帰る途中。

自販機の前にあったソファーに座らされて、下瞼の裏をめくられた。



慧「山田、これでダンスしようとしてたの？」

涼「大丈夫かな…って」

慧「いや、現に戻しちゃってるじゃん。戻しちゃったのは仕方ないし、汚れたとかはどうでもいいんだけどさ、山田。お前の身体はお前しかわからないんだよ。みんな心配してたじゃん？無理はしないでよ」

涼「無理はしてないよ…」

慧「踊らなかったらここまで症状出なかったでしょ？無理してるの。」



無理してるわけじゃなかったんだ。
みんなに迷惑かけるつもりもなかった。
ただ、頑張らなきゃみんなの足を引っ張る。そう思ってたら余計足引っ張ってた。



涼「みんなにっ…迷惑かけたくなかった…」

慧「うん。迷惑はかけたくないよね。俺もかけたくない。でも、最低限の迷惑はかけてくれていいじゃん。俺は迷惑かけすぎてるかもしれないけど…笑」



なにを言ってるのさ。
伊野尾ちゃんから迷惑かけられた記憶なんてない。
いつもちゃんと言ってくれて、その分頑張ってくれてるもん。



慧「じゃあ、もし、今日山田が不調なのみんなが気づいた時点で山田本人からしんどいの一言が言えたら？それをメンバーは迷惑だと思う？レッスン中に倒れて戻しちゃうの迷惑だと思う？」

涼「…」

慧「迷惑を迷惑って思うからダメなんだよ。頼られて迷惑だなんて思わないし。え、山田もしかして今まで頼られるの迷惑だと感じてた？うわ〜俺めっちゃ迷惑かけてんじゃん…」

涼「ううん、違う」

慧「一緒だよ俺も。山田が具合悪い時に迷惑だなんて思わないし、それを言わなくて戻しちゃったからって迷惑だとは感じない。でも、もうちょっと頼って欲しかったし、俺に言いにくいところあるのかなって考えちゃう…その前に一旦楽屋戻ろっか」

涼「うん…」

慧「ゆっくり立って〜貧血ってどんな感じなの？」

涼「…なんか、疲れて、動いたら目の前が真っ暗になって…ずっと気分悪くて…」

慧「そんな状態で踊ってたの？今みたいに言って欲しかったな〜」



なんか伊野尾ちゃんって賢いし、ずるい。

りょーすけ→←りょーすけ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す