仲良しJUMP 16

ゆーり ページ44

涼介side



OPギリギリで間に合って、スタートしたこの公演。

さっきまでのぐずぐず知念はどこへだか。アイドルとして具合の悪さなんて誰1人感じないだろうな。そんなパフォーマンスをしていく。

さすがにちょっとダンスコーナーはしんどかったみたいで、メインステージを後ろ向いて暗転した時に横を見ると深い息で呼吸しながら泣きそうな顔してた。

大丈夫か？そう聞いても返事することなく、前を向けばいつも通りの笑顔。



大「あいつ大丈夫なのかよ。あんなにスポドリ飲んだら気持ち悪くなるよな」

涼「さっき結構やばかったっぽいしとりあえずMC挨拶終わったら裏引っ張るわ」

大「おう、頼んだ」



…MCの挨拶をして、裏行こうな、そう言おうとしてたら知念の方から裏に走って行ったからそれをそっと追いかけると、階段の途中でうずくまってしまってる。



涼「知念大丈夫か？」

侑「…はっ…うっ…」

涼「吐きそう？ちょっと待ってな」

スタッフ「知念さん！」

涼「あちゃ…」

直属のステージスタッフさんの声でなんとなく想像はついたけど、袋を持って後ろを向くと間に合わなかったみたいで中に来てたTシャツが汚れちゃってて。

スタッフさんの気遣いで衣装を脱がせてたのが功を奏して最大の被害は抑えられたと思う…とはいえ、今着てる衣装は着られないか…



涼「袋俺持つから、出し切っちゃいな」



大粒の涙流しながら嘔吐してて、苦しそう。



涼「トイレ行こっか」



どろどろの服を脱がせて、手を軽く拭いてトイレに連れてって、裏に戻る。




侑「…行ける」


涼「本当に大丈夫か？」

侑「ん。大丈夫」

涼「じゃあ行こっか」



ギリギリでスタッフさんが作ってくれた謎のドッキリ企画を決行して、バレずにMCに参加した。

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