仲良しJUMP 16

こーた ページ37

慧side


みんなの予想通り、現在最下位の俺。メンバーが多いとさ、最初と最後と真ん中にしかカメラマンさんいないわけで、俺ずっとカメラマンさんと並走してるのよ笑

走らないといけないけど疲れちゃってたまに歩きながら話しては走ってくださいと言われてさ、そんなこんなでやっと折り返しだよ…お化け屋敷みたいにギブアップの扉があればいいのに。

なんて考えてたらやっと前の人の姿が見えた、あれは薮だな…なんだか様子がおかしくてここぞとばかりに走って駆け寄る。



慧「薮？…ちょっとカメラさん切ってもらっていい？」

宏「…いのぉ」

慧「ちょっと薮一度落ち着こう？」

宏「ん…っ…はぁ…」

慧「ジャージの上脱ごう？どこが痛い？」

宏「頭…やばっ…はぁ…っ」

慧「寒い中急に走ったら感じる頭痛っぽいかな…」



目の前にいた薮に追いつくと、真っ赤なほっぺで浅い息を繰り返してて、どこかが痛いんだなっていうのは一目見てわかった。

道の真ん中はさすがにあれだから、端によって座らせて背中摩ってみると暑くて、温度差で頭痛を起こしてるんだなって。

ジャージ脱がせて少しでも楽になればと水分を取らせて、呼吸がゆっくりになるまで待つ。



慧「落ち着いた？」

宏「…かなり」

慧「走ってたら頭痛した感じ？」

宏「そう」

慧「なんかわかるわ、また走り出すと痛むだろうしこのまま棄権してゆっくり休もう？」

宏「そうする」



車が来るまで座ったまま薮が落ち着くのを待ってる。

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