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2幕もあっという間だった。
鼠小僧次郎吉はメンバー全員の演技が光っていて、花道にいた舘さんと目が合った時は少しドキリとした。
樹くんと北斗くんは真剣な眼差しで舞台を見つめていた。
「本日はありがとうございました。」
照くんが挨拶を始めた。
凛々しい眼差しと深い呼吸音。
やっぱりリーダーってすごいな。
「僕達SnowManは10人です。これからも応援よろしくお願いします。」
「･･･照くん。」
ポロリと溢れた言葉に樹くんはこっちを向いた。
「A、SnowManに入ってよかった？」
「･･･わからない。」
「マンズ兄さんは大丈夫。絶対Aのこと守ってくれるから。」
" 1度決意したらやり通す男たち "
そんなこと知ってる。
やがて幕がおり、拍手が鳴り響く中、私はふたりと一緒に客席を後にした。
樹くんと北斗くんはあとで、と言って私と別れる。
私はそのまま舞台袖までゆっくりと歩いた。
小さく聞こえてくる最年少の彼の泣き声。
ああ、終わったんだ。
「･･･お疲れ様です。」
静かに姿を覗かせる。
すると誰かにぎゅっと、抱きしめられた。
背が高くて、暖かくて、まだ呼吸も荒い。
赤くて綺麗な衣装が台無しだよ。
そんな言葉も虚しく、" 彼 " は肩に顔を埋めた。
「ごめん、今はこのままで。」
心臓の鼓動が聞こえそうなほど、近い距離。
全ての物を包み込んでくれそうな優しくて繊細な手。
「会いたかった･･･。」
ふっかさんの疲れきった声に私は思わずくちずんでいた。
" 花鳥風月 "
・
みんな着替え終えて、楽屋に集合。
小さな部屋に所狭しと並ぶ10個の影。
" A、SnowManに入ってよかった？ "
またわからなくなりました。
でも一つだけ言えます。
やっと、素直になれました。
「みんな、千秋楽まで本当にお疲れ様。」
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作者名：花桃 | 作成日時：2021年9月11日 10時
