Snow Shine【2】 (ページ3)

今日:12 hit、昨日:8 hit、合計:46,132 hit

51. / You ページ3

「これ、オープニングの衣装です。目黒くんとラウくんのはこれです。」

なんとなく、素っ気ない言い方になってしまう。

目黒くんは表情が変わらないが、ラウくんは眉をひそめた。

「どうしたの、疲れてる？」

「ううん、なんでもないです。」

「舞台中なのに来てくれてありがとう。」

「こちらこそ、全然来れなくてごめんなさい。」

じゃあ行きますね。

そう告げて、横を通り過ぎようとしたが、

目黒くん、･･･否、蓮くんに腕を掴まれた。

「なんでそんなよそよそしいんだよ。」

「久しぶりだから、緊張してただけだから。気にしないで。」

手を振りほどき、階段を下りる。

「待って、Aちゃん！」

「ごめん、急いでるから。頑張ってね、2人とも。」

高くて大きな背中を置いていく。

頼りになる2人を。

楽屋までの道を走った。

和室の入口が見える。

「みなさん、お疲れ様です。ひらりと桜の衣装持ってきました。」

ノックをすると、中から康二くんの声がした。

扉をゆっくりと開ける。

「Aちゃん〜久しぶりやなあ。元気やった？」

「はい。これ、康二くんの分です。」

「ありがとう。」

「この部屋他には誰がいますか？」

「俺と佐久間くんだよ。」

「蓮、くん･･･」

「どうしたん？2人とも、なんかあったん？」

部屋に入ってきた蓮くんの声は冷えきっていた。

「じゃあ、これ。佐久間くんの分も置いておきます。」

「A？」

「じゃあ、私はこれで。」

後ろも見ずに、部屋を出る。

隣の部屋にノックもせずに飛び込んだ。

自分の中のもやもやを処理できない。

子供みたいな私は、本当にここにいていいのか。

「み、未沢･･･？」

「宮舘くん、阿部くん、渡辺くん。これ、オープニングの衣装です。遅くなってすみません。失礼します。」

動揺する3人に申し訳なく思う。

翔太くんに至っては、化粧水をひっくり返していた。

「ごめん、なさい。」

誰にも届かない謝罪がポツリと零れる。

またノックもせずに隣に飛び込んだ。

「未沢！」

「照くん･･･これ、衣装です。深澤くんの分も。本番頑張ってください。」

頭が痛い。

涙が出そうだ。

こんなにストレスに打たれよわかったのか、私は。

「大好きです。SnowManが･･･」

「知ってるよ、A。」

頭の上に優しい手が乗った。

ぽんと、包み込むように。

「未沢、見ててね。舞台。」

深澤くん･･･ふっかさんはそうニコリと笑った。