Snow Shine【2】 (ページ17)

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65. / You ページ17

突然の報せだった。

「ジャニーさんが倒れたって、どういうことですか。」

「文字通りだよ。社長が倒れた。」

マネージャーからの報告を受けて、病室に足を向けようとタクシーを呼びかけて、

止まった。

行く気にならなかったと言ったら嘘になる。

メンバーのみんなは向かったと連絡をもらった。

トーク画面を見つめながら小さなため息をつく。

恩師の弱った姿を見たくなかった。

画面をスクロールして、信頼なる彼に電話をかけた。

『もしもし、どうした。』

「辰哉くん。」

『ちょっとまって、人いないところ行くから。』

「わかった。」

しばらくの沈黙があたりを包む。

目の端にじんわりと涙が滲んできた。

安心感と不安が胸の中でぐるぐると渦巻く。

『おまたせ。今ジャニーさんの病院きてる。Aは来ないのか？』

「行きたくない。」

『どうして？』

優しさにあふれるその声に言葉をつまらせる。

もう止まらなかった。

電話口で咽び泣く私に対し、彼は何も言わない。

『今どこ？』

「事務所で、仕事、してました。」

『じゃあ、Aが俺らと同じくらい大切な人が来てくれるよ。そこで待ってて。』

辰哉くんはそう言って電話を切った。

しばらくして、ドアのノック音が小刻みにした。

私が返事をする前に、ドアはそっと開いた。

「久しぶり、直接会いたかった。深澤から連絡もらったんだよ。」

「加藤さん！」

二人目の恩師が私を王子様のように迎えに来てくれた。

その事実が心に染み渡る。

「ちょっと話そうか。」

加藤さんはその美貌で私に微笑みかけた。