ねえ ページ2
お店が休みの、まだ肌寒さが残る春の昼下がり、ミシンの前に座り、サッカーの試合を見て過ごしていたはずだった。
A「…んぅ、ん…？」
はらり、と肩からブランケットが落ちてきた。
頭がぼんやりとしている。
A「…寝てた…」
どうやら眠っていたようだ。
このブランケットは誰がかけてくれたのかなんて容易にわかることで
「起きた？」
A「うん、ブランケットありがと」
「どういたしまして」
そう言いながら彼は私の近くにコーヒーの入ったマグカップを置いた。
『ゴーーーーーール！！吹雪選手のアシストを受け、ここでまた風丸選手がイタリアから点をもぎ取ったーーーー！！』
つけっ放しにしていたテレビから歓声が聞こえる。
A「ふふ、風丸すごくいい表情」
選手にもみくちゃにされながら真ん中で喜んでいる幼馴染の彼も、
A「あーあ、壁山ってば、風丸に飛びついてる。風丸、潰れないかな(苦笑)」
そんな彼に飛びついている後輩の彼も、
A「わ、吹雪、ファンサすご…女子からの歓声が…」
客席に手を振りながら幼馴染に駆け寄る同い年の彼も、
A「立向居も駆け寄りたいんだろうなあ、ぴょんぴょんしてる」
日本のゴールを守っている後輩のGKの彼も
A「見て、染岡の顔。超悔しそう(笑)」
相手チームで悔しがっている彼も、
みんなかつて私たちとともに様々な敵と戦った仲間だ。
私にブランケットをかけ直し、私の肩を抱いてテレビの前のソファーにエスコートしてくれる彼もまた共に戦った仲間。
今はもう最愛の人。
私はコーヒーの入ったマグカップを持って彼のエスコートに従った。
彼は私をソファーに座らせて、テレビの前にある写真を取りに行った。
何枚か立てかけてある写真のうちの一枚を手に取り、こちらを向いた。
「懐かしいね」
A「うん」
「覚えてる？あの情熱の日々」
私の隣にそっと腰をかける彼
A「もちろんだよ、忘れるはずがない。大切な思い出なんだもん。って、ヒロトが情熱っていうと面白いかも」
ヒロト「どういう意味？それ(笑)」
A「ほんと、懐かしい」
ヒロト「そうだね」
そう言いながら写真を見ながら、彼、ヒロトの淹れてくれたコーヒーを一口飲んだ。
これは私たちとサッカーを通して出会えた最強で最高の仲間との話
私たちの、サッカー少年、少女の熱い思い出。
そう、始まりは中学生のときのこと_______
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜空(プロフ) - 犬と猫の名前面白くていいと思います。更新楽しみにしてます。 (2022年10月8日 19時) (
レス) @page46 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 猫と犬の名前のセンスと抹茶ソフトクリームでめちゃくちゃ笑ました笑すごく楽しいです！ (2019年12月14日 9時) (レス) id: 110b716f36 (このIDを非表示/違反報告)
汐音(プロフ) - Ｓｉｋｉさん» コメントありがとうございます！愛読だなんて嬉しいです！！ペースはまばらですが、これからもよろしくお願いします！私もこの作品の主ちゃんのキャラ、書いてて楽しいし割と好きです笑笑 (2018年1月11日 23時) (レス) id: 7e82f463dd (このIDを非表示/違反報告)
Ｓｉｋｉ(プロフ) - 主人公がめっちゃタイプです！ｗ愛読してます！これからも頑張ってください♪ (2017年12月24日 20時) (レス) id: 2486942c32 (このIDを非表示/違反報告)
汐音(プロフ) - 伊達 猫メガネさん» コメントありがとうございます！初めてのコメントで感激です！！これからも頑張ります！よろしくお願いします＾＾ (2017年12月21日 20時) (レス) id: c83bf7c5fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：汐音 x他1人 | 作成日時：2017年10月12日 22時
