変わらないままの心

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なんで、あの時あんなことを言ってしまったのか。
彼奴の性格なんて、側にいて分かってたはずなのに。
なぜ、そのまま時は流れてしまったのだろう。
なぜ、自分から行動しなかったのだろう。

あんなに欲しくて堪らないほどの存在だったのに…
だったのに…？いや、今も変わらず、心から欲しているのに。




教師になって2年目。
未だに緊張することはあるが、だいぶ慣れてきたと思う。生徒たちも難しい年頃で扱いに困るときもあるが、実際は素直で可愛い。

教師は、ある程度規則的な生活を送ることができるため、カレンダー通りの休みになることが多い。時間も大体決まった時間に帰れる。
もちろん、テスト期間や長期休みの時などイレギュラーで出勤することや残業もある。


そんな俺の恋人は、俺とは全く違う仕事をしているから、不規則で休みが被ることなんて珍しいことだった。
俺の休みに合わせて休みをとってくれたりすることもあるが、忙しいときは全く会えないし、電話で声を聞くことすら出来ないこともある。
それでも、お互い一緒にいたいと思う気持ちや大切な存在には変わりなかった。


俺と恋人の北山が出会ったのは、大学生になって始めたバイトで、迷っている北山に声をかけ案内したのが、きっかけだった。
初めて話したのに、明るく目を見て礼を言ってきた。
それからお互いの話をしていくと学部は違うが大学が同じなど共通することが多かったし、人懐っこい彼奴のおかげで仲良くなるのに時間はかからなかった。

俺は、人見知りをしちゃうタイプだったから、近寄りづらいと思われがちで、話す相手も少なく過ごしていたが、北山と出会ってからは、世界が変わったと思えるほど、他のバイトの人とも話せるようになったし、遠慮なく笑えるようにもなった。


北山とは、バイトだけでなく、大学内でもランチしたり図書館で課題をしたり、休みの日でも遊びに行ったりお互いの家に行くなど、一緒に過ごす時間が増えていた。
ある日、昼食を一緒にとるために講義が終わった後、食堂に向かった。そこで目にしたのは北山が他の仲間と親しそうに談笑している姿だった。

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