EVER BLUE -Beginning story- (ページ32)

今日:11 hit、昨日:14 hit、合計:29,354 hit

・32・ページ32

*

　

　

　

◎「で？どうだったんだ？」

「…ピンと来ませんでした」

◎「まあ、確かに葛木の雰囲気には合わないかなあ」

　

　

土曜日に大学の説明会に行ってみた

だけどなんかどこの学科もピンと来なくて
見学も途中で抜けてきちゃった

　

　

◎「まあまだ決まってない人なんてたくさんいるし、あまり焦りすぎるのも良くないから」

「…はい」

　

　

職員室を出て、教室に戻る

飛鳥も志乃ちゃんもいない

…そっか、飛鳥は風邪で休みだし、
志乃ちゃんは生徒会の集まりだ

　

今は昼休み

どうしよう

　

　

　

「…あ、」

　

　

あそこに行こう

　

　

「んん～！」

　

　

今日は晴天

こんな日は屋上でご飯を食べるのも悪くない

　

　

「ていうか、誰もいないよね」

　

　

まわりをよく見ると、奥の方で人影を見つけた

うそ、独り言聞かれてたかな

　

その人影に近づくと、見たことのある背中だった

　

…匠海くんだ

　

　

イヤホンをして、小説を読んでる

その横には水筒とお弁当箱が置かれている

　

どうやら私の存在に全く気付いてないみたい

私はどんどん近づいて、彼と2メートルくらいまで距離を詰めた

　

　

…横顔やっぱりかっこいいなあ

目もきれいだし

　

私が男だったら絶対嫉妬するもん

　

　

匠「…？」

　

　

　

横顔をじっと見つめていると、私に気付いた匠海くんは

イヤホンを片方外して、こっちを見ると
　

　

匠「えっ、葛木？」

「あ、ごめんね驚かせちゃって」

匠「いや…びっくりしたよ」

　

　

想像以上に驚いてるから

なんだか可愛く思えてくる

　

*