EVER BLUE -Beginning story- (ページ16)

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…それにしても

　

　

「みんな遅いね、」

匠「焼きそばもタピオカも混んでたからね…まあ待ってたら来るよ」

　

　

みんなじゃなくて私が持たないんだけど…

スマホを手に取って飛鳥に連絡してみても
なんにも返答がない

　

　

「き、たむらくんはさ、何か部活入ってるの？」

匠「軽音部に入ってるよ」

「そうなんだ、ギター？」

匠「と、ボーカル。中学のときもやってたんだ」

「へえ…じゃあ今日も？」

匠「いや、まだ入ったばかりだから歌わせてもらえないよ笑」

「…そっか、」

　

　

「…聴いてみたいなあ、北村くんの歌」

　

　

気付いた時にはもう手遅れだった

心の声がそのまま出てしまって、ハッとして彼の顔を見た

　

　

匠「来年の新歓は絶対やるよ。だからそれまで待ってて。」

　

　

少し照れくさそうに笑ってそう言った彼を見て

　

…もう駄目だと思った

　

好きになっちゃった

　

　

匠「あと、」

　

　

匠「下の名前でいいよ、」

「え？」

匠「呼び方」

「…えっ」

匠「苗字で呼ばれるより、匠海って呼ばれた方がいい」

　

　

話せば話すほど

どんどん好きになっていく気がした

　

　

「うん、わかった。」
　

　

私がそういうと、また照れくさそうに笑った

　

*