EVER BLUE -Beginning story- (ページ14)

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体育館にこんなに人が来るなんて今日くらいしかない

　

汗までも輝いて見えるくらい光が当たって、
その下で激しく踊る祐基に、観客は歓声を上げる
　

　

飛「ほんとにギャップがすごいよね」

志「確かに、いつもの祐基からは考えられないもんね」

　

　

今日は学園祭

　

　

一般の人もたくさん来てる

祐基はダンス部の発表で体育館のステージで踊っている

　

　

海「おまたせ」

「あ、小笠原くん」

海「もう終わっちゃった？」

志「あと2曲だって」

　

　

やっぱり志乃ちゃんは可愛い

周りにバレないようにと隠しているけど、
小笠原くんと話す時は表情がいつもと違う。

　

　

海「あれ、匠海こっちだよ」

匠「ごめ、先輩につかまっちゃって」

　

　

周りがうるさくても、その声だけはしっかりと聞こえた。

　

　

匠「隣いい？」

「あ、うん！」

　

　

隣の空いた席に彼が座った

平常心を保とうと、片方の頬をぺしん、と叩く

　

―水族館の時から、彼のことばかり考えてしまう。

　

　

飛「あ、次祐基センターじゃない？」

「え！うそ！」

飛「ちょっとA！」

　

　

思わず立ち上がってステージを見る

　

　

祐基は中学の時からダンスがうまくて

高校に入ってすぐの新歓で

　

　

祐『俺絶対ダンス部入る！』

　

って先輩が踊っているところみてそう言った

　

　

そんな祐基がセンターで踊るなんて
なんか感動してしまう

　

　

―でもその瞬間、

　

私の腕を掴んだ瞬間

祐基のことなんて気にならなくなるほど心臓の音が早くなった気がした

　

　

匠「座って？」

「…うん」

　

　
北村くんに止められなくても恥ずかしい状況なのに

腕…掴まれた

　

それだけなのに

他のことに集中できなくなってしまった

　

　

ごめんね祐基

　

　

　

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