表参道高校合唱部!【彼と彼女の関係は】

23話 涙の下の ページ25

夜、キャンプファイヤーの火が辺りを照らしている。
その周りに皆で和になる。

「大曽根校長、おかげでほんとに良い合唱になりました。ありがうございました。」

「「ありがうございました。」」

「こちらこそよ。」

「コンクール、頑張ります。」

「楽しみにしてるわ。」

有明先生と校長先生がファイティングポーズをとる。

「感謝の気持ちを込めて、歌います。」

校長先生の方を向いて歌う。
曲は、心の瞳。

「〜♪〜♪」

思うことは、ありがとう。
こんな素敵な合宿場を用意してくれたこと、昔の話をしてくれたこと。

それは決して、思い出したいことばかりではなかったはずだ。

私たちが歌うと、校長先生も歌った。

やっぱり、どんな人でも歌う資格はある。
例え、どんな理由があろうとも。

校長先生の歌声はとても綺麗で、自分が旦那さんに酷いことをした、そんなことを言っていた校長先生の、面影はどこにもなかった。

よかった。

「簡単なことだったのね。あの人が歌えないならその分も、私が歌えばいい。あの人と歌った歌は変わらずそこにあるんだもん。」

校長先生は泣いていた。
でも、その下には笑顔もあった。

「ありがとう。」

「よし、コンクール絶対入賞するぞ。」

「「はい。」」

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