表参道高校合唱部!【彼と彼女の関係は】

22話 圏外とか ページ24

練習も終わり、皆で帰る。

『暑いね〜』

「あっついよ〜！」

暑い暑いと里奈と連呼する。
さっきの発声練習が抜けてないのか、相当声は大きい。

「ねぇ、A。美子、美子」

優里亞に言われ後ろを向けば、丁度美子が相葉くんを呼び出しているところだった。

がんばれ。美子。









部屋で美子以外の女子で話す。
合宿のこと、クラスのこと、一軍のこと。
色々話していると、美子が帰ってきた。

『美子？』

帰ってきた美子は泣きそうだった。

「どーしたの？」

美子は涙を拭っていた。

「廉太郎に振られた。調子乗っちゃった…。…っ。圏外のくせに。」

圏外のくせに。
それは違うよ。

「ちょっと可愛くしてもらったからって。けんがいは、しょせん、圏外なのにね。」

そう言って、美子は自分を隠すようにメガネをかけた。

涙を流し続ける美子。

「だっさ。」

『たしかにださいよね。』

「ちょっと、A」

『自分の殻に閉じこもって、ださい。』

私は立ち上がり、美子の後ろに座る。

『でも好きな人に好きって言えた美子は、絶対にださくない。』

圏外だからとか、そんなの関係ないんだよ。
人には恋をする資格がある。
それは、どんの人にもある。

涙を流す美子の頭を撫でる。

いつか、私も伝えられる日がくるかな。

快人くんに、好きって。

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