表参道高校合唱部!【彼と彼女の関係は】

１話 夏休み ページ3

「この夏休みから受験準備始めたって早すぎることはないんだから、しっかり勉強するのよ。」

終業式、全てを終えてあとは帰るだけ。
私は瀬山先生の話を右から左に聞き流し、分けられた通知表を見つめる。

結果は、まぁまぁ。
よくも悪くもない。

「じゃ、これで終わります。さようなら。」

その声とともに立ち上がる。
目指すは真琴の席。

「もうやだよ〜。夏休みなんて〜」

真琴はそんなことをほざいた。

「はぁ？夏休みだぞ、香川。いやな奴なんていんのかよ。なぁ、A」

『そーだよ！夏休みだよ！勉強も何もなーい！』

快人くんと一緒につっこめば、真琴は急ぐようにして通知表をしまう。
その隣で桜庭くんがおでこに手を当ててため息をついた。
これは成績が悪かったな？

「だって、暇じゃん。学校があれば皆に会えるし、放課後合唱して疲れて寝ちゃえば１日終わるけどさ。」

『まー、それはね。私も毎日そんな感じだよ〜。』

だよね、と真琴と顔を見合って笑う。
そー考えると、確かに夏休みは暇なのだ。

「香川も神崎も雑な１日だね。」

宮崎くんが呆れたように言う。

「だって、夏休みって何すればいいかわかんないんだもん〜」

そう言った真琴に美子ちゃんが「うちらは練習に決まってんでしょ。」と真琴のおでこを思いっきりつついた。

真琴は痛そうにおでこを抑える。

「ちょっと待った、」

立ち上がった里奈の方を向けばグイッと肩を組まれる。

「少しくらいは遊ばない？恋の季節がおわっちゃうよ〜ねぇ？A〜」

里奈に手を引っ張られて無理やりハートを作らさられる。
そしてほっぺをつんつんされる。

『恋…』

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