表参道高校合唱部!【彼と彼女の関係は】

15話 家族 ページ17

嘘、ではなかった。
良くも悪くもなかった私の成績は逆に親の逆鱗に触れた。
このまま成績が落ちれば部活をさせてもらえなくなる。
合唱が、出来なくなる。

いい大学に入れ。

それは中学の頃、初めて言われた。

優しいお母さんに少し厳しいお父さん。
どこにでもいるような、そんな家族。

幸せだった。
今も幸せじゃないわけじゃない。

でも、いつの日かお母さんとお父さんの間に小さな溝があった。
仲が良くても、表には見せない裏があった。

お母さんはもう、お父さんを愛してない。

お父さんはそれに気づいたのか、私への当たりが厳しくなった。

「合唱、出来ないのか？」

『出来ない訳じゃないの。ただ、このままだとヤバイかな、ってだけで。』

不安そうな声の快人くんを安心させようとするけど、私の声も震えていた。

『いい大学に行かなきゃいけないんだって。このまま成績落ちたら部活やめさせられちゃう。』

「え…」

ごめん。
ごめんね。

涙を流さないように俯く。

すると、暖かいものに包まれる。
それが快人くんだと気付くのに時間はいらなかった。

『か、いとくん…』

「合宿終わったら、一緒に勉強しよう。合宿部の皆で。ほら、香川とかバカだし。な？だから、泣くな。合唱出来なくなるとか、言うな」

慰めてくれていると、わかった。
快人くんの手が優しく私の頭を撫でる。
それが心地よかった。



上の方から
「出来杉〜！！」
って聞こえたのはスルーしよう。




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Aちゃんの家族、ごめんなさい〜

なんか、こう、いいかな？と思いまして…
第6話も中盤です。
ここから一気に加速していきますよ！
Aの家族も、Aちゃんのこれからも！

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