Citrus#51 ページ6
『あっついねぇ』
夏が近づいて歩いてると体に汗がにじむ。
汗と言えば隣の人はまぁそれは甘い良い匂いがするんだこれが。
『ばくごー君は汗臭さとか気になんないね』
「爆破しやすくなってんからしてやろうか」
『だってすごい甘い匂いす…ぁっ！！？』
近づくとすごい勢いで後ろに押された。
そのせいで尻餅をつく。痛い。
『何するんだ…』
ばっと見上げると後ろを向いてるけど赤い耳が髪から少し覗いていた。
『赤い』
「夕日のせいだ気づけや」
『もうすぐ日が沈むけれど』
「ちっ」
うわぁこの人舌打ちしたよ何なんだほんと。
「…おい、」
『ん？』
「…俺は、お前が嫌いだ」
一拍置いてまたショックを受けた。
『そっ、か…』
胸から込み上げてきた何かが目から溢れてコンクリートに染みを作る。
なんで我慢できないんだろう。
ぎょっとするばくごー君の顔が涙で歪んでいる。
通り過ぎた子供が「あの人女の子泣かしてるー」という。
『…ずるいよばくごー君』
でもとめどなく流れてきてどうしようもない。止まらない。
『何気なく優しくして心配して励まして一緒に帰って朝も言えば来てくれてやっと友達になれたと思ったのに！！』
「…元々ダチなんかじゃねぇ」
『じゃぁなんで一緒に登下校してくれるの？！！』
黙ってそっぽ向かれても今回ばかりはキミがいったい何を考えているのかわからないよ。
『なんで、なんで嫌いって突き放してくるの…？！』
「…うるせぇ」
なんで目線を合わせてくれないの。なんで教えてくれないの。
疑問ばかりが募る。キミはわかっていない。
『私がどれだけキミを尊敬してるかわかってないよ』
「んなもん知るか」
『…私は一人の人間としてキミが好きなのにそれにも気づいてくれないんだ』
言葉を吐き切るとネクタイを掴まれて壁に押し付けられた。
顔をぐっと近づけられて。もう呼吸が直に顔に当たる距離。
「…このまま近づいたらどうなるかわかるかおい」
いくらなんでもそのくらいは。
身の危険を感じるぐらい怖くて目をそらす。
「…てめぇのは半分野郎やデクに対する好意と同じだろ」
『っ、』
「だから俺はお前が嫌いだ」
それだけ言い残すと乱暴に離して帰っていった。
『…違うのに』
ごめんね。今なら言える。
＿＿私も貴方と同じ気持ちなの。
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翠蒼(プロフ) - エリカさん» 面白いと言っていただけて光栄です！更新できる限りガンガンしていくのでよろしくお願いします(^ ^) (2017年6月26日 23時) (
レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - 遥燈さん» アァァ！！！コメントありがとうございます！本当に励みになります＾V＾ (2017年6月26日 23時) (レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - やばいです。このお話面白すぎます。ほんと好きです。更新されるのを楽しみに待っています！！これからも頑張ってくださいっ！（≧∇≦） (2017年6月25日 20時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
遥燈(プロフ) - めっちゃこの話好きです。更新楽しみにしてます。頑張れ！！ (2017年6月25日 11時) (レス) id: af6572da72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠蒼 | 作成日時：2017年6月24日 6時
