Citrus#48 ページ3
『…お話、ありがとうございます』
グラントリノさんは私が泣き止んで落ち着くまで黙って隣にいてくれた。
飲んでるふりをしていたけどあのお茶の缶はずっと前にカラだったはずなのに。
「いいってことよ…俺は一度宙方家に世話になったことがあるからな」
『世話？』
「やんちゃしてぶっ飛ばされたんだよ」
『あー…』
「冗談だ、納得すんじゃねぇ」
この人ならやりかねない。ご老体のくせに強いし口調が荒々しいし。
「だがこの話は聞かない方が良かったんじゃないか？」
『え？』
「生みの親の顔を知らないとはいえ、こう…復讐したいとか思わねぇのか？」
『復讐ですか…』
確かにそいつが私の両親を見つけなかったら、殺していなかったら私は今頃本当の両親の元で個性にコンプレックスも抱かず幸せに過ごしていたかもしれない。
でも私は今とても幸せだから。
『思いませんよ、育ての両親は私を本当の子供となんら変わりなく接してくれるし』
これ以上の幸せな環境はないと誇れる。
『隠されていたのはショックだったけれど…それも私のことを想っているからだと思います』
「いい家にいったんだな」
『そう思うでしょう？私の両親は最高なんですよ！』
私を生んでくれてあの家に預けると決めてくれた両親も、育ててくれた両親も。私の幸せを願って想ってくれている。
だから早く今もギクシャクしてる雰囲気をどうにかしたい。
私はあそこにいたい。
グラントリノさんと別れて在来線で家に帰る。
『ただいま』
「おかえりー」
いつもの会話なのに養子と発覚してからこの後の会話が続かない。
でも今日は思い切って。
『お母さん、本当の両親について今日教えてもらったの』
キッチンから息を飲む音が聞こえた。
『でも私はお母さんとお父さんに育てられて幸せだよ』
「A…」
『だから、なんていうか…心配しないで！』
今日飯田君の話を聞いて思ったことがある。
復讐のためにヒーローは動いてはいけない。
誰かの笑顔のために動かなくてはならない。
ばくごー君にお母さんと仲直りできたことを報告したら、「だから何だ」とかきたけど何気心配してくれてたの知ってるからね。
『今度会ったらちゃんと話そう』
私の話、面白くないと思うけど一つだけ結論が出たからどうしても聞いてほしい。
＿＿トップヒーローをがむしゃらに目指すキミに聞いてほしいんだ。
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翠蒼(プロフ) - エリカさん» 面白いと言っていただけて光栄です！更新できる限りガンガンしていくのでよろしくお願いします(^ ^) (2017年6月26日 23時) (
レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - 遥燈さん» アァァ！！！コメントありがとうございます！本当に励みになります＾V＾ (2017年6月26日 23時) (レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - やばいです。このお話面白すぎます。ほんと好きです。更新されるのを楽しみに待っています！！これからも頑張ってくださいっ！（≧∇≦） (2017年6月25日 20時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
遥燈(プロフ) - めっちゃこの話好きです。更新楽しみにしてます。頑張れ！！ (2017年6月25日 11時) (レス) id: af6572da72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠蒼 | 作成日時：2017年6月24日 6時
