Citrus#62 ページ19
『その名前で呼ばないで』
なるべく知られてはいけないとグラントリノさんが言った。
それがいくら同級生でも
情報というのはどこでどうもれたかを突き止めるのは何かが起こってから。
起こってない間突き止めることは至難の技。だから防ぐためにもとりあえず全員警戒しておけと。
「実は俺はお母さんがお前の個性と外見が似ているっつう前から知ってた」
『…え？』
衝撃だった。知っていた、隠されていたと言う事実に。
イケメンってふざけてる上に性格が悪いんですかね。もうイケメン恐怖症になりそう。
「親父がお前に会ってあんなこと言った後、調べたらしくて勝手に教えられた…本当にすまねぇ、俺の親父が」
轟君が頭を下げるのを止める。隠されていたことについては謝られた。
それに元をたどればエンデヴァーさんが悪いわけだし。
それでも轟君は下を向きながら喋り続ける。
「親父…アイツ言ったんだよ、”あの娘の親が事件にあった時、誰も助けようがなかった”って…助けられたかもしれねぇのに、ヒーローなのに、他人事みてぇに」
さっきよりも強い衝撃。今度は胸を締め付けられるような痛みが走る。
「俺は家族にそんなことをのうのうと言えて他人を助けられねぇ自分の夢を押し付ける名前だけのヒーローにはなりたくねぇ、そう思った」
『…』
「でも初め、お前の個性を見て感じて、疎ましかった。体育祭でもあの爆豪にひるまずにほぼ互角で楽しそうに戦ってるお前に嫉妬した」
つらつらと語られていく轟君の知られざる感情が私の胸に突き刺さっていく。
「それが家系だってわかった時、お前の本当の家にあった
また「すまん」と謝られて顔を上げた轟君は凛々しい眉を下げて申し訳なさそうだった。
『…誰だってそうだよ、轟君が悪いわけじゃない』
私だって轟君の強さ、その名前、容姿、性格によるスター性みたいなものに一瞬嫉妬した。
もし本当の両親が生きてて宙方の名前を継いでたら危険はあったかもしれないけど、轟君みたいになれたかもしれないと考えたことはある。
『それでも私は”矢水”だから』
ばくごー君にも言ったけど、私は今幸せでどっちにしろ変わらずヒーローを目指して強くなろうとすると思うから。
「…本当、お前は強ぇよ」
『ありがと』
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翠蒼(プロフ) - エリカさん» 面白いと言っていただけて光栄です！更新できる限りガンガンしていくのでよろしくお願いします(^ ^) (2017年6月26日 23時) (
レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - 遥燈さん» アァァ！！！コメントありがとうございます！本当に励みになります＾V＾ (2017年6月26日 23時) (レス) id: 192907da57 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - やばいです。このお話面白すぎます。ほんと好きです。更新されるのを楽しみに待っています！！これからも頑張ってくださいっ！（≧∇≦） (2017年6月25日 20時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
遥燈(プロフ) - めっちゃこの話好きです。更新楽しみにしてます。頑張れ！！ (2017年6月25日 11時) (レス) id: af6572da72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠蒼 | 作成日時：2017年6月24日 6時
