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二人で家に着くとお店の方に回る。今家に入っても誰もいない。
「いらっしゃ、」
扉を開くと山崎さんは信じられないものを見たように目を見開いた。
「お、宗介君じゃねぇか」
常連のお客さんのような人の方が落ち着いている。
「ども」
「宗介君の彼女かその子！」
「まぁ」
「ひゃー青春だねぇ！！」
その目線がチラチラ動く先は私たちの手だった。
…こんなん公開処刑だ。
絡んでいる指を一本ずつ丁寧に外す。
山崎さんの指示で家の方に回ると彼女はすでに般若のような形相で仁王立していた。
「だーかーら！！帰ってくるときは連絡しなさいっていつも言ってるでしょ！」
「今日は外泊許可じゃなくて外出だから帰るし別にいいだろ」
「そういう問題じゃない！」
「次から気をつける」
了承しつつも宗介の顔は面倒くさいと言っている。
…一回鏡見てから言った方がいいぞそれ。
山崎さんはそういうとこお父さんに似ちゃってとブツブツ文句を言いながら厨房に戻っていった。
「じゃあ俺は学校に戻る」
「え、もう？」
短い返事と共に背中を向けられる。
そうだ、とさっき歩いてきた道を戻ろうとする宗介が振り返った。
「Aは明日からどうするんだ」
「私は地方大会まで特に何にもないなぁ」
「だったら泳ぎにでも行ったらどうだ」
水着を持っていることは前提条件のように言われる。
まぁ予想通り持ってきてますけどね！
「あ、後さ、こっちにいる間に凛にも会いたい」
「まぁ聞いておく」
「あれ、なんか嫌そう」
「そりゃ他の男に会いたいって言われて会わせるのは嫌だろ」
親友兼ライバルという特別な関係である凛に嫉妬してくれている。
＿＿あの頃凛と宗介の間に超えられない壁を感じていた私は大馬鹿だったんだな。
「大丈夫、宗介しか好きにならない自信あるもん」
「っ、お前は…」
すでに数歩離れていた距離を一気に詰められる。
驚いて後ろに下がる暇さえ与えてくれずに宗介の腕に捕まった。
一瞬だけ軽く唇が重なってすぐに離れる。
ぬくもりが消える時にいつもの宗介の余裕綽々な表情が消えていた。
「っ、え、ぁ」
「…帰る。またな」
私に口元の弧を見せつけた後、広い背中が遠ざかっていく。
何、あれ。あんなの、初めて見た。
10年以上知っている人の初めてを見つけた驚愕が優越感に変わるのに時間はかからなかった。
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置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - いえ、とても面白かったです！ (2018年12月22日 11時) (
レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - お久しぶりです！グダグダになるかもしれませんが最後までお付き合いください！ (2018年12月22日 2時) (レス) id: 8de9e0189a (このIDを非表示/違反報告)
置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - お久しぶりです。小説面白かったです！主人公ちゃんが今後、宗介とどう歩むのか気になります (2018年12月21日 16時) (レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - Miyuckyさん» こちらこそ初めまして！応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ更新に波はありますが、最後まで頑張ります！これからもよろしくお願いいたします！！ (2018年8月3日 7時) (レス) id: d7b61196d7 (このIDを非表示/違反報告)
Miyucky(プロフ) - 初めまして！いつも陰ながら応援させて頂いてます！本当毎日読むのが楽しみで、(あ、今日話数多い！)とか、(あ、今日は更新ない...)と、1人で画面に一喜一憂しています。(笑)楽しみにしてるので、これからも頑張ってください！！ (2018年8月3日 0時) (レス) id: 2a420235d5 (このIDを非表示/違反報告)
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