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なにもできないまま、言えないまま立ちすくんでいる私を見限ったかのように俯き加減に招集所へと去っていく遙を見送る。
「A？」
「凛、」
「どうしたこんなところで」
そうだ、凛ならば。宗介と遙の中に特別な地位を築いている凛ならば、何かできるんじゃないだろうか。
「遙が、」
変だ、おかしい、だからどうにかしてほしい。そう言い淀んだ。でもやっぱり私が口を出しちゃいけないデリケートな問題だ。遙の未来への選択は凛や私のものじゃなくて、遙自身のものだから。
「ハルが？」
「遙が先に行くって、」
「あぁ、今回は組が違うからな。さすが地方大会だ、0.01秒以上の差で組まで変わる…それより驚いたぜ、宗介でも待ってんのかと」
「今はそれより試合でしょ」
「ハハッ、そういやお前は宗介が選んだんだからそういうやつだったな。いやそれより前からお前はそうか」
「文句ある？」
「ねぇよ、むしろそういう方がいい」
じゃあ後でと片手を上げながら更衣室の方へ消えていく凛を見ながら息を吐く。
凛はいつも几帳面でリーダーシップがあって人を魅了するけれど、人の奥底に触れる、地雷を踏むというところで雑だ。雑っていうより気にしていない。無意識で踏み込んでくるから避けられない。
「ハァ…」
遙のことを言わなくて正解だったのかもしれない。
でも私が言わなくても遙の異変には気づくだろう。
おせっかいなところがある凛はきっと遙に何か言うのはわかりきっている。
凛と遙の間柄は、宗介と凛との間より難しい。
お互いの地元や素性を水の中で知った前者の関係性は水でしか繋がっていない。
水が好きだから泳ぐ遙、速くなりたいから泳ぐ凛、似ているようでまったく違う。
「あ、Aちゃんおかえりー！もうすぐ真琴先輩の始まるよ！」
「よかった、間に合って」
席に戻ると江ちゃんのお友達らしき人が座っていて会釈する。あの四人のうちの誰かの彼女とか、もしかしたら片思いとか。そんな甘酸っぱいことがあってもいいんじゃないかと妄想に走るのはおばさんでしょうか。
「っ、ねぇAちゃん、」
「どうした？江ちゃん」
「もし違ってたらごめんね、」
「ん？」
テンパりながらどんどん顔を赤らめていく江ちゃん。可愛い。
「…もしかして、なんだけど…私に隠してること、とか」
「いや？」
「例えばほらその…宗介くんとの間になんかあった、とか、」
「ん”？？」
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置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - いえ、とても面白かったです！ (2018年12月22日 11時) (
レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - お久しぶりです！グダグダになるかもしれませんが最後までお付き合いください！ (2018年12月22日 2時) (レス) id: 8de9e0189a (このIDを非表示/違反報告)
置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - お久しぶりです。小説面白かったです！主人公ちゃんが今後、宗介とどう歩むのか気になります (2018年12月21日 16時) (レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - Miyuckyさん» こちらこそ初めまして！応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ更新に波はありますが、最後まで頑張ります！これからもよろしくお願いいたします！！ (2018年8月3日 7時) (レス) id: d7b61196d7 (このIDを非表示/違反報告)
Miyucky(プロフ) - 初めまして！いつも陰ながら応援させて頂いてます！本当毎日読むのが楽しみで、(あ、今日話数多い！)とか、(あ、今日は更新ない...)と、1人で画面に一喜一憂しています。(笑)楽しみにしてるので、これからも頑張ってください！！ (2018年8月3日 0時) (レス) id: 2a420235d5 (このIDを非表示/違反報告)
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