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宗介の実家の最寄り駅まで、何か話して笑いあっていたのに思考回路は断線していた。
どこか上の空で何度か聞き返せば宗介は全部二度同じ話を繰り返してくれる。
「大丈夫か」
「…ん、」
とは言いつつ、さっきあんなことされて平気なわけがない。
心臓と顔の血管がさっきから大きく脈を打ちっぱなしだ。
＿＿しょうがないじゃん。経験なんて乏しいどころかゼロなんだから。
「そうだ、モモに練習を見てもらえって言ったけどこなくていいぞ」
「暇だからいいのに」
「そういう問題じゃねぇ」
「…他の人、見て欲しくない？」
「それもそうだが最高の
突然の選手としての宗介の視点に脳が一気に切り替わる。途切れていた回路が一瞬で修復された。
私たちを赤い糸が繋ぐ前に水がつないでいる。
＿＿だったら私のやることは一つだ。
「…練習、やっぱり見に行く」
「おい、」
「お願い」
駅のホームを歩く二人の足が止まる。私の強い口調に宗介が振り返ってハッとした顔をしていた。
「みんなが最高の
モモくん、愛くん、凛、そして宗介。全員に最高の景色を見て欲しい。私が水の中じゃ見れなかった夢みたいなその風景を。
全てを言わなくても宗介には伝わっている。
小さくため息を吐いたにもかかわらず、その顔は困ったように笑っていた。
「ほんっと、頑固だよな」
「宗介に言われたくない」
「お前ほどじゃねぇよ」
困った笑顔が、一瞬逸れた目線が、真摯な表情へと移る。
確固たる何かを持ったその顔に何も言うことができない。
心臓が作り出す波の音が大きくなる。沈黙が余計それを身体中に轟かせている。
「A、」
「は、はい、」
緊張のせいで堅い返事が精一杯。この静けさと雰囲気は逆に頭をさえさせた。
「＿＿頼む」
付き合って初めて。出会って初めて。宗介が頼ってくれた。弱みを共有してくれた。
明確な信用の称号をやっと手に入れた。それが胸の奥の何かを刺激する。
ずっと欲しかった、心の底から望んでいた。大切な人からの信頼をやっと。
唇を噛んで必死に目から今にも落ちそうな水をこらえる。
「っ、やるからには絶対最高の景色見せるから！」
「ははっ、凛みてぇ」
突き出した小さい拳に宗介の大きな拳がその景色を見せてやると約束事を乗せる。
＿＿＿＿地方大会まであと一週間。
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置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - いえ、とても面白かったです！ (2018年12月22日 11時) (
レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - お久しぶりです！グダグダになるかもしれませんが最後までお付き合いください！ (2018年12月22日 2時) (レス) id: 8de9e0189a (このIDを非表示/違反報告)
置物娘OLDCODEXにハマりかけ(プロフ) - お久しぶりです。小説面白かったです！主人公ちゃんが今後、宗介とどう歩むのか気になります (2018年12月21日 16時) (レス) id: 07cbb82d44 (このIDを非表示/違反報告)
翠蒼(プロフ) - Miyuckyさん» こちらこそ初めまして！応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ更新に波はありますが、最後まで頑張ります！これからもよろしくお願いいたします！！ (2018年8月3日 7時) (レス) id: d7b61196d7 (このIDを非表示/違反報告)
Miyucky(プロフ) - 初めまして！いつも陰ながら応援させて頂いてます！本当毎日読むのが楽しみで、(あ、今日話数多い！)とか、(あ、今日は更新ない...)と、1人で画面に一喜一憂しています。(笑)楽しみにしてるので、これからも頑張ってください！！ (2018年8月3日 0時) (レス) id: 2a420235d5 (このIDを非表示/違反報告)
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