【夏目友人帳】桜舞う頃に (ページ4)

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夢主視点

ここは行きつけの店、七辻屋。

常連客の多いここの和菓子は、とても美味しい。

食べた瞬間、懐かしく甘い匂いがふわっと食べた者

を包み込むのだ。

早速店に入って和菓子を選ぶがどれも綺麗で迷う。

ひとつずつじっくり見ていき、結局桜餅を選んだ。

早く社に帰って、早く桜餅を食べたい。

店を出て、足早に真っ直ぐ家に帰る。

肩で切る風が気持ちいい。

前からは高校生達が楽しそうに歩いてくる。

すると、私の横を通った高校生の一人が紙を落とし

た。

「これ、落としましたよ。」

紙を拾って声をかける。

「あ、ありがとうございます。」

高校生は受け取って、頭を下げた。

また社へ向かって歩き出すと、後ろからまた賑やか

な声が聞こえてきた。

「夏目は偉いなー。買い物の手伝いなんてさ。」

「そんなことないよ。塔子さん達にはお世話になっ

ているから。」

「いやいや、俺なんて街まで出てもゲーセンしか行

かないからさ。」

「お前なぁ～！」

彼らの声が遠くなる。

塀の上の猫が大きなあくびをした。