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18 人 ページ19
夢主視点
月がぼんやりと輝く時刻。
使い魔を撫でながら社の外で夜風にあたる。
…夏目君。
レイコによく似た顔の、優しい子だった。
なのに、あの笑顔は今にも崩れてしまいそうで、正
直怖かった。
この穢れた私が触れてしまったら、崩れてしまうだ
ろう。
あの子の幸せも、日常も、何もかも。
彼等は私に、嘘をついた。
彼等は私から、神から、名前を隠した。
この嘘で塗り固めた息苦しい世界で、明日も彼等は
生きていく。
時間が止まった私とは違う。
自らの足で大地を踏みしめて歩くんだ。
どこまでも。
だから私は、演じていく。
真実に、気付いていないふりをする。
私とは違う世界と共に、生きていく住人の為に。
私も共に、歩んで生きたいから。
それが例え、偽りの世界でも。
「おやすみなさい。《夏目貴志》君。」
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作者名：トロみん | 作成日時：2017年4月22日 0時
