【夏目友人帳】桜舞う頃に (ページ12)

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夏目視点

「ならば、お前。名はなんていうのだ？」

先生は男性を見つめながら、聞いた。

「私は、A春彦。

山奥の社に祀られている一応、神様だ。

レイコともそこで知り合った。

…貴方達は？」

さっきとは違う、威厳のある声だった。

「俺は、夏目た…」

「私はニャンコ先生だ。そして、こっちの細いのが

夏目孝志。レイコの孫だ。」

俺は名乗ろうとしたが、先生に阻止された。

しかし、Aさんはそんなこと御構いなしのよ

うだ。

「へぇ、良い名前だね。

どんな漢字を書くのかい？」

と、にこやかに笑いながらAさんは聞いて来

た。

さっきとは打って変わって穏やかだ。

「親孝行の《孝》に、《志す》と書く。」

先生はしれっと答えた。

『先生！名前違うぞ！！』

そう言いたかったが、Aさんは納得したよう

に頷いている。

多分、先生にも考えがあるのだろう。

今は、《孝志》でいくことにした。