初めての保健室 ページ5
抱っこされているせいで、保健室に行くまでの間、注目を浴びる。
ちょうどクラスの人にも見られてしまったから最悪だ。
シャトルランで1番に脱落するより、ずっと悪目立ちしているだろう。
「失礼します」
やっと保健室に着くと、中では小山先生と手越先生がお茶をしていた。
「あ、Aちゃんと増田先生だ。どうしたの？
顔赤いから、お熱出たのかなぁー？」
ナチュラルにおでこを触ってくる手越の手をぺしっと払った。
「体育でシャトルランしたんだけど、無理して走ったみたいで終わったら立てなくなってさ。
このソファに下ろしていい？」
「どーぞどーぞ。
それにしても、そうなるまで走るってスゴイね。」
「スゴイってよりバカだろ笑」
「バカじゃないし！」
笑っているまっすーからソファの上に下ろされる。
「小山、冷却スプレー取って。」
「どーぞ。」
「ちょ、待って！痛い？」
「Aちゃん、意外とビビりなんだ。
可愛いー！」
手越はムカつくけど、怖いものは怖いんだもん。
「これよりも、マッサージの方が痛いと思うけど。
いくよー。」
目を瞑ると、シューという音と共に足がヒヤッとした。
「そんな怖かった？
これ、結構気持ち良くない？」
「人からこういうことされるのって怖いじゃん。」
「Aちゃんも、お茶飲む？
マッサージするまで、もう少しおいた方がいいでしょ？」
小山先生が声を掛けてくれた。
「ありがとう。」
小山先生は、ハーブティーを淹れてくれた。
良い匂いがしてホッとする。
この学校の保健室は、小山先生の性格もあってかホッとする感じにまとまっている。
「酸っぱ！！」
一口飲むと、余りの酸っぱさに叫んでしまった。
「それ、ハイビスカスとかローズヒップとか入ってて、疲労回復に効くんだよ。」
人もお茶もクセが強い！
「それ、小山先生が試しに買ったのはいいけど、不評で在庫ダボつかせてたんだよね。」
手越がケタケタ笑う。
「そうそう、心が疲れてここに来た子にもハーブティー出したりするんだけど、そういう子にはこんな物出せないし、手越にもまっすーにもシゲにも不評でさ。」
「さすがにこれは酸っぱ過ぎる。」
まっすーもそれに同意した。
というか…
「私にはいいのかよ。」
「ほら、疲労回復。」
笑っている小山先生の口に、コイツを流し込みたい衝動に駆られた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
s.s1103(プロフ) - 早く続きを読みたいです。更新楽しみにしてます！ (2021年10月27日 1時) (
レス) id: 78b3ca447f (このIDを非表示/違反報告)
彩紅蘭 - お気に入りです！応援してます！更新､頑張って下さい！ (2019年5月9日 1時) (レス) id: 59a4f60278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作者 | 作成日時：2018年12月28日 11時
