初めての体育の時間 ページ4
新品のジャージを着て、みんなの流れに付いていくように教室を出た。
体育は大好きだったから、久しぶりに体を動かすのが楽しみだ。
体育館には、奇抜な色のジャージを着た増田先生がいる。
「今日は、久しぶりの体育ってことでストレッチをした後にシャトルランするぞー！」
シャトルラン宣告に、あちこちから不満の声が上がる。
「えーって言わない笑
さっそくストレッチするから、2人1組になって。」
それぞれ仲が良い子同士でペアを組んでいき、もちろん私は1人になった。
クラスの人数が奇数だったことが恨めしい。
「Aは俺とやろっか。」
気まずいけど、仕方ないか。
しかも、先生とペアってことは見本になるってことじゃん。
「まず、足を閉じて体を前に倒す。」
「いっっ……」
増田先生はそう言って体を前に倒そうとするけど、ずっと動かない生活をしていたせいか体が硬くなっていて前にいかない。
みんなに体が硬いことがバレてしまって恥ずかしい。
「はい、じゃあやって。」
それぞれにやりだし、みんなの視線から開放された。
「体硬いねー。」
「長いこと動いて無かったんで。」
「ちょっとずつ解していこうか。
もう一回いくよ。」
「…ムリムリ！」
増田先生、キツ過ぎるよ。
その後もしばらくストレッチは続き、終わった頃には痛みに耐え続けたせいで精神的に疲れていた。
「じゃあ、次はシャトルランするぞ。
女子からするから、1列に並べー」
走るのなんて、久々だ。
それでもシャトルランだから、人並みに走れないと目立ってしまって恥ずかしい。
音楽が鳴り、一斉にスタートした。
音楽はまだゆっくりだとはいえ、半年間ほとんど動かなかった体にこれはキツい。
それでもビリにはなりたくなくて、気力だけで走り続けた。
結局、中間層までとは行かなくても下から五番目にはなれた。
おかげで、クタクタになり足が笑っている。
そのままフラフラと体育館の端で座り込んだ。
男子がやっている間にも、体は回復するどころかどんどんグダっとしてくる。
「これで今日の授業は終わり！お疲れ様ー！」
増田先生が終わりの挨拶をして、みんなが立ち上がっても、足に力が入らなくて立ち上がれない。
「どうした？」
心配した増田先生が寄って来たので、訳を話した。
「まったく、休み明けなのにあれだけ走って大丈夫なのかと思ったら、案の定そうなるなんて。」
「ちょっと！」
増田先生は、私の抗議を聞き流して抱っこすると、保健室へ連れて行った。
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s.s1103(プロフ) - 早く続きを読みたいです。更新楽しみにしてます！ (2021年10月27日 1時) (
レス) id: 78b3ca447f (このIDを非表示/違反報告)
彩紅蘭 - お気に入りです！応援してます！更新､頑張って下さい！ (2019年5月9日 1時) (レス) id: 59a4f60278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2018年12月28日 11時
