復学 ページ1
夏休み明けの教室、みんなが久しぶりの友達との再会を楽しんでいる中、私は一人机に座っていた。
運が悪いことに、中学卒業後の春休みに病気が発覚した私は、手術やら治療やらで夏休みまで休学することになってしまった。
という訳で、私にとって今日は登校初日で、クラスメートとも初対面だ。
「A、おはよう。」
「あ！おはようございます！」
突然声を掛けられてビクッとすると、後ろに担任の加藤先生が立っていた。
加藤先生とは、お見舞いやら復学準備やらで既に結構会っている。
「そんなに驚かなくても。
体調は大丈夫？」
「はい！ありがとうございます！」
「良かった。
前に約束した気をつけること、覚えてる？」
…あれ？なんだっけ？
「もう…忘れてるでしょ。
くれぐれも無理しないこと。病み上がりで退院したばっかなんだから。」
「あ、そうだった。」
加藤先生には言えないけど、完全に忘れてた。
「いま少し時間あるから、保健室の先生に挨拶しておこうか。」
加藤先生はそう言って私を保健室に連れて行った。
「失礼します。」
「はーい、どうぞ！」
中から、男の人の元気な声が聞こえる。
ドアを開けると、派手な髪の色をした男の人2人が座ってコーヒーを飲んでいた。
白衣を着ていないし、思っていた保健の先生とかなり違う。
しかも、2人いるし。
「保健の先生の手越祐也だよ！よろしく！」
「同じく、増田貴久です。」
「え？2人もいるんですか？」
「いないから。ったく、登校初日のウチの生徒をイジらないでくれます？」
加藤先生が、呆れたような顔で二人に言う。
「正しくは、英語の手越と、体育の増田先生。」
加藤先生、手越先生のことは呼び捨てなんだ笑。
「シゲのクラスってことは、俺ら教科担任じゃん。
小山先生、いまちょうど出てったんだよね。
すぐ戻ってくると思うよ。」
手越先生が教えてくれる。
「なら、待ってようか。」
「はい。
加藤先生、シゲって呼ばれてるんですか？」
「そー。成亮だからシゲ。
逆に加藤先生って言われてもピンと来ないわ。」
「そこはピンと来てくださいよ！」
加藤先生が叫ぶ。
「Aちゃんも、シゲって呼んで。」
「それを言うなら俺のセリフだろ！」
増田先生と手越先生にイジられ、シゲが悲痛な叫びをあげる。
「ただいまー。あ、人が増えてる。」
ようやく、白衣を着た保健の先生らしき人が戻ってきた。
「はじめまして。小山です。よろしくね。」
こうして、私の高校生活が始まった。
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s.s1103(プロフ) - 早く続きを読みたいです。更新楽しみにしてます！ (2021年10月27日 1時) (
レス) id: 78b3ca447f (このIDを非表示/違反報告)
彩紅蘭 - お気に入りです！応援してます！更新､頑張って下さい！ (2019年5月9日 1時) (レス) id: 59a4f60278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2018年12月28日 11時
