Snow×Snow

キスシーン ページ23

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「佐久間くんはどう？」

「まあ、俺も由菜がいいなら……」



こうして、急遽追加される事になったキスシーン。


あまりにも急遽だったからその場で打ち合わせが始まって、
10分くらいみんなで話し合った結果、ベッドの上でキスする事になった俺ら。


ああこれふっかあたりが荒れそうだな、なんて思ったけど、もうここまで来たら指示通りやるしかなくて。

まあMVを良いものにしたいのは俺も同じだったから、念入りにリハして、カメラの角度とか諸々を決めて「じゃあ始めるよ〜」って監督の声でいざ本番。




抱き合ってイチャイチャしながら俺らはベッドに身を投げて。
由菜を組み敷けば恥ずかしそうに俺を見上げるから、この空気感が甘すぎて演技だって事を忘れてしまいそう。



「由菜……」



優しく頬を撫でれば彼女はゆっくりと目を閉じて。

そのままその綺麗な唇にそっと俺のを重ねれば、その僅か2秒くらいの出来事がやけに長く感じられて頭がおかしくなりそうだった。



……仕事だって分かってるのに、こんな事してると、こうやって由菜を俺だけのものに出来たらいいのに、なんて感情が生まれてしまう自分が嫌になる。


散々気付かれなくていいなんて言っておきながら”由菜が好きだ“って溢れ出してしまう俺の気持ち、重なった唇から伝わってなければいいんだけど……。



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鑑賞会中、案の定騒ぎだしたみんなに由菜は顔を真っ赤にして俺に助けを求めて来て。

ふざけて由菜を守るように振る舞えば、ふっかにめちゃめちゃいじられた。



まあおかけで気まずくならなくて助かったけどさ、



…………ねぇ、翔太がずっと眉間にシワ寄せてるのは、もしかして由菜に気があるから？

それとも他に、何か俺の知らない理由があるのかな…………？



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