Snow×Snow

もう飽きた ページ2

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「はーい、じゃあお二人の撮影これで終了でーす！」

「ありがとうございました〜」

『ありがとうございました〜』



セットから出て着替えに向かう私の後ろから、コツコツと足音が聞こえてくる。

振り向かなくても分かる。音の主はきっと、今の今まで一緒に雑誌の撮影をしていた男に違いない。



「……″はーあ、また翔太とかぁ。たまには大ちゃんとがいいのになぁ″」

『……は？』

「ふはっ、冷た」

『なに？今の』

「なにって、お前の気持ち代弁してやったんじゃん」

『そんな事思ってませんけど』



たまにやってるファンの子の物真似みたいなトーンで私の心を代弁したらしいこの男は、Snow×Snow内では生憎私のシンメである翔太で。

呆れて振り向きもせず足を速めれば「顔に書いてあるんだっつーの、」なんてケラケラ笑われた。はぁ、超うざい。



『書いてないし思ってもない』

「お前ほんと昔から素直じゃねーよな」

『……素直ならいいってもんでもないでしょ』

「まぁ、そうかもしれねーけど」

『だいたい私がいつ大ちゃんの事…っ、！』


「へっ、俺がどーかした？」



うわ最悪。
ちょうど曲がり角を曲がった先にいたのはたった今話題にしていた大ちゃんと由菜ペアで。

そっか、2人これから撮影だっけ。

多分話の内容は分かってないだろうけど、鉢合わせてしまった事が気まずくて思わず目を逸らした。



『いや、別に…』

「ふーん？あ、2人もう上がり？いーね、お疲れ様〜！」

『お疲れ様…』



「俺らも頑張ってくるね〜！」なんてヒラヒラと手を振りながら去っていく大ちゃんと、その隣でニコッと笑って『お疲れ様、』って控えめに手を振る由菜。


手を振り返しながら2人の後ろ姿を見送れば、翔太がくしゃりと私の頭を撫でた。



「……なんつー顔してんの」

『……別に、』



別に、今更何も思わないよ。
だってもう飽きてるもん。



大ちゃんが愛おしそうに由菜を見るのも。

2人の事をお似合いだなって思うのも。



…………それに嫉妬する自分にも、ね。




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