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6時間目の授業が終わり、私は鞄とカメラを片手に部室へ急いだ。
3階の左奥。
少し古い扉を開けると、教室にはすでに人がいた。
キラキラとまぶしい黄色。
「わ、センラ先輩こんにちは。もう来てたんですね！」
「こんにちは、Aちゃん
ホームルーム早よ終わったからね」
私が所属する写真部。
決して部員数は多いとは言えないけど、
元々写真が大好きだった私には本当に楽しい部活。
その中の数少ない先輩。
それがセンラ先輩。
このきらきらとした見た目から、よくバスケ部とか陸上部とかに間違われるらしい。
「センラ先輩、もう課題のやつ撮れました？」
「あぁ、あれな… 難しいよな今回のテーマ。まだ撮れてへんわぁ」
「私も行き詰まっちゃって…」
黒板に貼られているプリントを見つめる。
『私が一番きれいだと思うもの』
今回のテーマ。
部長が決めたテーマは簡単そうに見えて、いつも難しい。
「んー、期限はまだあるし、ゆっくり考えようや」
「そうですねぇ…」
「しっかし今日暑いなあ」
「30度超えらしいですよ、今日」
「ほんまに？俺汗っかきやからやめてほしいわ」
そんな他愛もない話をしながら、カメラを用意する。
「今日はどこ撮ろうかな…」
「なんかもう撮りすぎてどことったらええんかわからんくなってきたわ」
「それな、です笑 じゃあ私行ってきますね」
荷物をおいて、教室から出た。
風景を求めてきょろきょろと学校内を探索する。
「あれ、開いてる…？」
立入禁止で、鍵がかかってたはずの屋上へ続く階段の防火扉が少し開いていた。
普段の私なら絶対に入らない。
…はずなのに、なぜか掻き立てられる好奇心。
屋上から見える景色はどんなものなのか。
そこなら綺麗なもの、きっと見つけられるんじゃないか。
そんな思いから、私の手は扉に向かっていた。
「綺麗…」
眩しく照らす太陽。
その下では運動部が走っている姿。
思っていた通りの景色でカメラを取り出す。
その時だった。
ガタ、と後ろの方で音が聞こえた。
私の心臓がドキドキと鳴った。
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作者名：ちょこ。 | 作成日時：2020年6月25日 23時
